【鬼滅の刃】春夏秋冬＿＿恋焦がれ【短編集】

終止符を【宇髄 天元】 ページ6

※悲恋







『天元さんっ！』






「おぉっ！A！久し振りだな」






『はい！お久し振りです！』






俺を見つけ此方に駆け寄って来るA。






俺はそんなAの頭を派手に撫でてやり、Aの顔には笑みが浮かぶ。






こいつの笑顔は綺麗だ。自分だけのものにしたい、独占したい。






そう思う。が、時すでに遅く







Aはすでに他の男のものだ。







そりゃあ、Aに結婚する事を告げられた時は、相手の野郎を派手に血祭りにあげてやろうとも考えたが







嬉しそうに他の男の話をするAを見て、







そんな事出来なくなった。







Aが男なんかつくる前に俺がお前にこの気持ちを伝えていれば何か変わってたのか…？







今更考えても仕方がない事だがつい、そう思ってしまう……。









…はぁ、もう済んだ事をいつまでも悔やんでいたって何も変わらない。






そんなの自分が一番理解している筈だ。







Aが幸せならそれで良いじゃないか。…出来る事なら俺がAを幸せにしてやりたかったけどな…。









『天元…さん？』







「あ、あぁすまねぇな。考え事をしてた」








俺の曇った表情を見て心配しながら顔を覗き込むA。








愛しい。








『っ…！』







俺は自分の欲望のままAを抱き締めた。








最後まで、もしかしたらを期待して無駄な悪足掻きするなんて、派手にダセぇな。俺は。








拒絶されるか、そうとも思ったがAは俺の背中に自身のか細い手を回し抱き締め返した。








お前は優し過ぎるんだよ。








少し時間が経ち、俺はAから離れ







この言葉を最後にAへの気持ちを断ち切ろう。








そう決意を固めAに告げた。









「幸せになれよ！」









派手にな。









Aの結婚の日




桃色の着物をまとい



愛しい奴の隣で頬を赤く染めたお前は



これまで見てきた誰よりも



派手で美しかったぜ。

こんなにも…【不死川 実弥】→←気付かぬうちに【我妻 善逸】かまぼこ様ﾘｸ

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