鬼殺隊と鬼【猗窩座】 ページ11
※片想い
『やっと追い詰めたぞ、上弦の参。もうお前に逃げ場はない』
怒りからか…顔を赤く染め、此方を鋭く睨むA…
先程交戦したせいもあり、体中に小さくも深い傷を刻みそこから血が滴り落ちている。
『おい、何か言ったらどうだ?それとも怖じ気付いてしまったのか?』
俺を挑発するような物言いをするA。
馬鹿だな。お前ごときに俺が怖じ気付くわけないだろ。
『おい…「弱い癖に口だけは達者だな」っ!』
次にAが口を開いた瞬間俺はAの背後を取り、そのまま強く抱き締めた。
『あがっ…!…どういうつもりだ…』
まぁ、その名の通り抱き"締めて"いるわけなのだから
Aは苦しさと痛さから必死に身をよじって俺の腕から逃れようとする…無駄な事を。
「A、鬼になれ」
Aの耳元で囁く、するとビクッと肩を微かに揺らし気迫が薄れたが、
すぐ元へと戻り
『嫌だっ……鬼になんて絶対にならないっ!』
と、抵抗し出した。
「…そうか」
ゴキッ
『う……ぁ…』
鈍く痛々しい音が辺りにこだまする。
そして、それと共にAは気を失ってしまった。
「A…」
俺は自身の腕の中で気絶したAの頬をソッと撫で、額に接吻した。
…今とは違う時代で、、違う関係で出会っていたら……お前に、こんなにも辛く苦しい感情を抱かずに済んだのかもしれない。
普通に恋をして、結婚して、子供も授かり幸せになれたかもしれない。
でも、そんなものは自分の夢物語に過ぎない。絶対に叶う筈のないものだ。
ましては、鬼殺隊のお前と鬼の俺なんて…
Aは俺を殺す対象としか見ていないだろう。
他の誰に何を思われようとどうても良い。が
愛する者に殺気を向けられ、憎まれるのは胸が張り裂けるんじゃないか、という程痛く辛い。
もう一度、今度は首へとAに接吻を落とす。
「お前が鬼となり、俺を愛してくれれば…」
この想いも、少しは報われる…のだろうか。
後日、蝶屋敷で目覚めたAは
同じ柱である胡蝶 しのぶに
満面の黒い笑みで首を隠せと言われた。
その首には自分の物だと主張するような
赤い痕が1つ、しっかりと残されていた。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←苦痛に歪む2【累】
52人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美桜 - 初めまして。リクエストいいですか?夢主善逸同期恋人。アオイの入浴中覗きをしたと疑われる善逸。善逸犯人ではありません。犯人はアオイに片思いのモブ隊員。モブ隊員は蝶屋敷に入院している。お願いします。 (2019年12月17日 13時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
*十二鬼月*を愛する者 - 夏曇さん» コメント失礼します。急で申し訳ないのですが、可能でしたら黒死牟に夢主が愛される話を書いて頂けないでしょうか?夢主は花魁設定で黒死牟が郭に通っているという感じでお願いします。 (2019年12月15日 11時) (レス) id: 4587451935 (このIDを非表示/違反報告)
マキラ - ありがとうございます! またリクします! (2019年11月1日 12時) (レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
夏曇 - マキラさん» 書き終わりました!このような感じで良かったでしょうか?リクエスト有り難うございました! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 2932db30f1 (このIDを非表示/違反報告)
夏曇 - 鯉喘さん» 返信、遅れてしまい申し訳ありませんでした。了解です。頑張って書かせて頂きます! (2019年10月13日 20時) (レス) id: 2932db30f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ