なつのひ ymcn (ページ2)

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問答無用ページ2

涼介side

女2人に男1人の、しかも母さんと姉ちゃんに対して俺が口で勝てるわけもなく…

「じゃ、そういう事だから、用意しといてね」

完全に固まってしまった俺をよそに、2人は食事を終えて、片付けに行ってしまった。

「ほら、涼介、早く食べなさい」

「……はい」

早く食べろオーラ全開の母さん。

……勝てるわけがない。

こうして

問答無用で俺の夏休みは終わりを告げた。

・

・

「じゃあ、行ってきまーす」

「……行ってきます」

「おばあちゃんによろしくねー！」

結局、反論という反論も出来ないまま

夏休みが始まってしまい

荷造りも反抗してしていなかったのに気づけば母さんにまとめられ…

大きく手を振る母さんを背に、俺と姉ちゃんはおばあちゃんの家に向かうために電車に乗った。

・

「…はぁ…」

自然とでるため息。

「ちょっと、ため息ばっかりつかないでよ」

「つきたくもなるよ…
姉ちゃん本当に嫌じゃないの…？」

ギャルで都会大好き！みたいな大学生のくせに、おばあちゃんの家に行くの嫌がっていなかった事が俺には不思議で仕方なかったからそう聞くと

「だって、わたしおばあちゃん大好きだし！
あとあそこ田舎だけど綺麗なところ多いしね！」

だから、涼介も好きになるんじゃない？とウインクをしながら言われた。

いや

姉ちゃんがおばあちゃん大好きなの初耳だし

田舎の綺麗なところが好きとか以外すぎるんだけど…

「…そっか」

なんか言えば絶対睨まれて怖いから

俺の胸に秘めておくことにしよう。

だんだんと変わって行く景色を眺めながら

俺はまた一つため息をついた。