第115話 掴みかけた栄光 ページ20
今の時点で、ゲームカウントは6−5と部長がリードしている。
跡部は持久戦に持ち込んで部長の左腕を潰す作戦に出たのだが、部長はあえてその作戦にのった。
リードしているとはいえ一点差。
部長の腕がどこまで持つかが勝敗を左右する。
『もう1時間半も過ぎてる…。』
試合開始から約1時間半。
手塚「(跡部…悪いが全国へ行かせてもらうぞ)」
確かに跡部の眼力は相当なものなのだが、予想よりも長時間、部長の腕は耐え抜いているようだった。
ここに来て跡部はゼロ式ドロップショットを決められる。
跡部「(こいつ…不死身か…!?)」
榊「ゲームはこれからだ、氷帝テニス部200人の頂点に立ったお前のテニスを見せてやれ!!」
跡部「!」
ロブが上がり、ついに跡部は破滅への輪舞曲を放った。
破滅への輪舞曲は第1のスマッシュで相手のグリップにあててラケットをはたき落とした後、第2のスマッシュで確実に決めるという技。
中々に高度な技なのである。
だが、部長には通じなかった。
部長は一瞬の判断でラケットの面に当て、グリップに当てられるのを回避したのだ。
ほんと部長の対応力には感心する。
まだ跡部のチャンスは続いているのだが、がら空きの右サイドを狙ったと思いきや、そのボールはぐぐっと部長の方へと引き寄せられる。
手塚ゾーンだ。
この超越した強さに誰もが度肝を抜かれる。
そしてついに、部長のマッチポイントとなる。
「!!?」
『そろそろか…。』
手塚「くっ……(持ち堪えてくれ…)」
部長がサーブを打つ体勢に入ったところで、左肩に激痛が走ったようで、膝をついてしまう。
駆け寄ろうとする青学レギュラー達。
手塚「来るな…!戻ってろ!!…まだ試合は、終わってない。」
そう言うもとりあえずベンチに戻され、みんなから棄権するよう説得されている。
私もその場所へ向かった。
審判「肩を痛めて引退を余儀なくされたテニスプレイヤーは数知れず…手塚君ほどの選手ならそれがどういうことか…」
氷帝側は嬉しさ半分といったところ。
跡部に至っては真顔だ。元々彼は性格は悪いが、勝てればいいという性格の持ち主ではないから。
部長の説得はまだ続いている。
これ以上のプレイは危険であり、やったとしても跡部に勝てる確率は極めて低い、と。
しかし、部長は立ち上がり続行しようとする。
それに青学メンバーは動揺を隠せなかった…。
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黒薔薇(プロフ) - 夢萌さん» ありがとうございます! (2021年2月15日 0時) (レス) id: 6f4ddb4419 (このIDを非表示/違反報告)
夢萌 - 面白い。更新ファイトです。 (2021年2月14日 23時) (レス) id: de254ea931 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 鬼灯さん» 有難うございます! (2021年2月13日 1時) (レス) id: 6f4ddb4419 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - わー!!Part3だ!!とっても面白くって一気に全部読みました!!更新頑張ってください!! (2021年2月12日 21時) (レス) id: 6816aad330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年2月12日 19時