第7話 マムシの牙 ページ8
『疲れた…。』(ゲッソリ)
菊丸「お疲れ様〜!」
『元気ですね先輩…。』
今はお昼ご飯の時間帯。
とりあえず全員にスポドリとタオルを渡し、私もお昼休憩。
お弁当を開け、もぐもぐと食べ進める。
ほかのみんなはガツガツだが。
流石男子中学生。私はそんなに入らん。
パコンパコン
桃「んー?」
菊丸「なにー?ほほ(桃)?」モグモグ
『先輩、口の中のもの飲み込んでから喋ってください。』
ちらっと音のする方を覗くと、越前が壁に向かってボールを打っていた。
普通のではなく、全て同じところに当てるというものだが。
そこに女の子がやってくる。
その子はなにか越前と話した後、越前の方からその場を離れた。
『あ、あの子…。ははーんなるほどね。』
桃「なんだ?」
菊丸「にゃんだにゃんだ??」
私は察した。越前のことが好きなんだあの子は!!いや〜青春だねえ。学校の名前っぽくていいじゃん。
大石「おまえら!後半始まるぞ!!」
桃、菊丸「「えっ、、」」
『さて行きましょうかー。』
「「(いつの間に…。)」」
―――――――――――
Dコート 越前vs海堂
この試合が行われるコートはかなり周りがざわついている。
それもそうだろう。
ふつうは夏にならないと出られない1年。その1年が今コートに立ち、現レギュラーの海堂と向かい合っている。
まさに前代未聞の光景。
『楽しみだな。』
試合が始まってから、両者1歩も譲らない。
サーブを打てば返すの繰り返し。
息もつかぬ攻防の末、越前のボールがネットにあたってギリギリ海堂側に落ちてポイントをとる。
『うーん…。』
海堂はまだ切り札を持ってる。
海堂の得意とするスネイクという技だ。
この技を打たれた時はスッと表情が落ちるぐらいびっくりしたのを覚えている。
『だから海堂顔怖いってば…。』
そして試合は進み、
越前がうまく逆をつき、周りが勝負ありと思ったその時、やはり海堂薫の必殺技・スネイクが炸裂。
越前「!?へぇ…。」
海堂「フシュー…」
スネークという技は右足から左足へ体重移動する瞬間にラケットを大きく振りぬき、異常なスピンをかけることで、弧を描くようにサイドから相手コートに落とす。
しかし誰でも出来る訳ではなく、海堂ならではのリーチの長さがあるからこそなせる技。
『うん、今度教えてもらおう。私もやりたい。』←
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年1月14日 1時