第49話 反撃開始 ページ50
D1も苦戦しているが、D2も凄く荒れている様子。
まぁ元から荒れるのはわかっていたし、あの二人をダブルスに入れといて何を今更である。
桃・海堂「「うるせーんだよアヒル！！」」
『アヒル？！………あぁ。』(納得)
向こうのコートから聞こえてきた声にびっくりするが、相手を見て納得した九条。
こちらもD2に負けず劣らず凄いことになってる。
聖ルドルフ学院が押し気味でコンビネーションは向こうもいい感じになっており、６−５とリードされている。
あと1ゲーム取られたら終わりだ。
一旦2人ともベンチに戻る。
河村先輩が飲み物を入れてくれたりと穏やかな雰囲気だが、試合が始まっても菊丸先輩だけ全く動かない。
「菊丸先輩どうして…」
『………。』
なんで、どうして？と周りは言うが、大石先輩は気づいているはずだ。
そうこうしているうちについに青学はマッチポイントになるまで追いつめられる。
菊丸先輩が動かないから大石先輩ひとりだけで粘っているような状態。
『罠だ。』
大石先輩もそれに気づいたようだが時既に遅し。
赤澤が強烈なジャンピングスマッシュを放つ。
観月「これで青学は……！？」
『……ふふ』ﾆｺｯ
この後、観月は九条が何故笑ったかを知ることになる。
大石先輩の背後に菊丸先輩の姿がｽｯと現れ、華麗なジャンピングボレーを放ちポイントを奪ったのだ。
越前「やっぱりね。」
菊丸先輩は２ゲームをあえて捨てて充電していた。その時間稼ぎのために大石先輩は頑張っていたわけだ。
『頑張ってください、先輩方。』
菊丸「……。」(ﾆﾔｯ
橘「ルドルフのみならず、これだけの人数を騙すとは…。」
菊丸先輩の復活後も赤澤は必死に攻めたが、アクロバティックな動きをする菊丸に歯が立たず、カウントは４０−３０となる。
そして金田は焦りが腕に伝わったのかダブルフォルトとなり、菊丸先輩のダイビングボレーで流れはあっという間に青学へと変わった。
その流れを断ち切ろうとして赤澤はブレ球を打つが、菊丸先輩は瞬時に判断し、目を瞑る。
菊丸先輩はかがんでブレ球を回避すると、その後ろでは大石先輩がスタンバっていた。
カラカラとラケットがコートにあたる音がして、相手チームはムーンボレーを警戒して後ろに下がる。
金田「！！？」
だが、大石先輩が放ったのはドロップショットだった。
ムーンボレーの時の仕草は、
『ただの大石先輩の癖だぞー。』
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作者名：黒薔薇 | 作成日時：2021年1月14日 1時
