マネージャーって大変なんですよ。【1】 (ページ25)

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第24話波動球ページ25

繰り出された技、通称【波動球】

『っ！？その打球は駄目だ…！！』

河村「グレイトォー！！」ﾊﾞｺﾝｯ

不二先輩はこれを決められたら流れが変わることがわかっていた。だから返そうとしたが、すかさず河村先輩が前に立ちはだかり、見事打ち返す。

不二先輩ではあの打球は返せない。もし返せたとしても2度目はない。しかしそれは河村先輩も同じ…。

あの波動球という技は1回使うだけで腕に負担がかかりすぎる。それを犠牲に驚異的な打球を繰り出す技だ。

橘「っ！やめろ！！」

打ち続けると腕に支障が出る。つまり、今後テニスが一生出来なくなるかもしれないということだ。

幸い、相手のラケットは最初の波動球でガットが大きく破けており、河村先輩が返したボールは素通りした。

ホント…どっちからもひやひやさせられる。

ベンチに戻った不二先輩と河村先輩を交互に見て、私はそっと河村先輩の腕を持ち上げる。

『………。』

河村「いてててっ…。」

不二「僕を、かばったんだね。」

“マネージャー、この試合棄権します。”

「「「「！！！？」」」」

不二「いいかい？」

『…、いいでしょう。河村先輩を病院へ。不二先輩は付き添い人として共に行ってください。審判！D2青学は棄権致します！！』

審判「分かりました。」

河村「ま、まだやれるよ！ねっ？」

いいですか、河村先輩。と、私は話し出す。

『あの波動球は腕に非常に負担がかかる技です。それは波動球を返す相手も同じこと。このままいけば一生テニス出来なくなりますよ。大人しく病院へ行ってください。不二先輩、頼みます。』

不二「わかった。」

ごめんなさい河村先輩。

あなたにはテニスを辞めて欲しくない。いつも温和で優しい先輩が、ラケットを持ったら叫ぶのをずっと見ていたいんです。

――――――――――
地区予選決勝【D1】

D2は青学が棄権したことにより早々に終わり、D1の試合が始まる。

菊丸「Aちゃん、任せといてよ。」

大石「心配するな。」

ベンチでは頼もしい一言が聞けた。
先程の試合がゴールデンペアを本気にさせたようだ。

『先輩方、期待してます。』

菊丸・大石「「おう！」」