第21話 互いの陣地 ページ22
試合は第2セットへ。
応援する青学レギュラーはお気楽な感じだが、本人たちは必死。
越前「いてっ」
桃「あだっ」
『えぇ…;』
桃は思いっきりサーブをしたところ越前の頭にあたり、越前がクロスをうったら桃に当たって最悪な状況。
このセットも玉林中に取られてしまい、早くも初戦敗退ムードが漂っている。
しかしどうやら2人はここから起死回生の作戦を考えたようだ。
コートの真ん中にラケットで線を引いてそれぞれの陣地にした。いわゆる相手はダブルスだが、こっちは2人のシングルス。
そもそもシングルスプレーヤーの2人。力を発揮するのにこれ以上の適した場はない。
『本人達の中でシングルスにしてしまえばこっちのもの。』ニヤ
玉林ペアはダブルポーチ作戦を続行するが、今度は全く通用せずスマッシュを打っても返される状況に。
そして桃がダンクスマッシュを決めて完全に流れが青学に向いた。
『ふふふ。』
だいぶ早い段階でこの作戦を思いついていた私は心の中でドヤ顔。
越前「けっこう楽しいね、ダブルス。」
それはお互いシングルスでやってるからだぞ越前。
ダブルスだったら無理だっただろ。おい。
相手はどこに打っても打ち返されるもんだから、真ん中なら!とか思ったのだろうか。
真ん中ならあの戦法があることを完全に忘れているようだった。
桃「阿!」
越前「吽!」
『ぶぶっ…w』
青学サイドは皆いい顔で試合を見守る。
竜崎先生や部長の目も明らかに生き生きとしていた。
―――――――――
その後、
結局、即席ダブルスにもかかわらず、玉林中のペアに6−2で勝つという大義を成し遂げた2人。
めちゃくちゃな試合だっただけあって、現在進行形で竜崎先生に正座をさせられている。アホだ。
今回の相手は少し口が悪くて嫌味っぽいやつらだったが、握手越しに「ダブルスをしたくなったらいつでもストリートテニス場に来い。」と誘っていた。
この機にダブルスがなんたるかを教えて貰ってこい。
うちのゴールデンペアでもいいぞ。(誰)
越前「先輩!しあi…」
『やりません。』
越前「ちぇ」
てか、頬っぺ赤いぞ越前。せめて冷やせよ。
桃「振られ続けてんなー越前。」ニヤニヤ
ファン「「「「「!!!!」」」」」
だから、人違いデス。
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年1月14日 1時