第19話 青学vs玉林中 D2 ページ20
第1試合【D2】
初戦からこんなに不安なのはどうなんだろうか。
コートサイドのベンチには顧問が座るはずなのだが、何故かマネージャーの私が座っている。
竜崎先生に座らなくていいんですかって聞いたら、年寄り扱いするんじゃないよ!と返ってきたのでもう何も言うまい。
ファンみたいなのから、あの子誰よ?とか時々聞こえてくるが安定のスルーだ。
相手は玉林中というあんまり知らない学校。
強いて言うなら、青春台テニスクラブの時に会ったおっさんの息子さんがここの部長だということぐらい。あ、違うわ。あれは柿ノ木中だったけ。
ま、今回心配なのはあのちぐはぐコンビだからな。
審判の説明が終わり、いよいよ試合が始まる。
竜崎「悪く思うなよ手塚。無理をさせるわけにはいかんのでな。」
手塚「わかりました…。」
ちなみに手塚先輩の名前はオーダー表には書かれていない、つまり補欠枠。というよりかは温存と言った感じだ。
きっと最終兵器みたいな立ち位置なんだろう。
―――――――――
INコート
審判「”第1試合D2前へ!青学、越前・桃城ペア。玉林、泉・布川ペア!”」
布川「お前らが天下の青学だったとはなぁ。」
泉「いやぁラッキーかな。」
布川「愉快だぜー、シングルスならお前らの方に分があったのにな。」
越前「だろうね。でもさぁ…、相手の土俵でたたきのめした方が愉快だからね!」
「「お前ら!そのためにダブルスへ!?」」
逆にそれ以外何があんだよ?と九条がつっ込んだ。
乾「もめてるよ。」
不二「成る程、あれが原因ね。」
秒でバレてるぞおまえら、とコート外から聞こえてきた声に笑いをこらえる。
とまあつまり、組んだ理由はストリートテニスで玉林中の泉・布川ペア打倒の為。
彼らはそのために阿吽戦法なるものを編み出し、真ん中を狙ってきた玉林中ペアを驚かすという策に出る。
阿吽の呼吸ねー考えたなー。……だけどさ。
桃「阿!」
越前「吽!」
『ふふっ…w』←
乾「笑いを堪えてるよ。」
不二「笑ってるね。」
なんとも独特なやり方で思わず笑いが出てしまう。
ダブルスは基本真ん中にボールがきた時はフォアハンド(右手)の人が取るという決まりがある。
しかし喧嘩っ早い二人はバックでも取りたいと思った、その結果が阿吽の呼吸なんだろうな。
どうせ金剛力士像的なのを見て閃いたんだろう。(大当たり)
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年1月14日 1時