第13話 新レギュラーの実力 ページ14
自分のことよりも、息子や学校のことで怒っているオーナーは素敵な人だと再確認した。
おっさん「客に向かって何だその態度は!?シャレの通じん奴だ!今日のレッスンはキャンセルだ!」
逆ギレをかますおっさんに対して『私にもテニス教えてください〜。』とか言おうかと思ったが、視界の端に写る越前が何か企んでいるようなのでここは引こう。
オーナーとその息子は顔を合わせてガッツポーズをして、なんとか耐えたことを静かに讃え合っていた。
そしてオーナーは学生3人ほどにジュースをご馳走していた。
ただオーナーの息子の顔に見覚えがあり、少し近寄ってみる。
『ねえ、君ー。「わあ九条先輩!!?」うんやっほー。』
カチローというらしいその息子と、君のお父さんが経営しているテニスクラブに通っててねー、などたわいも無い話をする。
ちなみに私もジュース貰った。いつも来てくれるお礼だって。やった。
向こうで越前がさっきのおっさんにちょっかいをかけて試合をしているのなんざ一瞬で終わったから見てない。
『おーい。えーちーぜーんー。』
越前「A先輩…どうもッス。」
コートに入り、越前の分のジュースを渡す。
おっさん「おまえら…一体…!」
『んー?これが見えないのかにゃー?』
バッと越前は貰ったばかりのRジャージを着、私は羽織っていた他のジャージをRジャージとそっくりなマネージャーの方に変えた。
おっさん「!青学の!!いっ…!!」
よく知らない人には見分けがつかないほどマネージャーとレギュラーのジャージは似ている。
てなわけで、私がレギュラーですって言ってもバレないのだ。ふふん。
越前「ちゃんとアップしないから肉離れするんだよ、ね、おじさん。」
『オーナーと言え。』
越前「ウッス」
―――――――――――
Aコート
オーナー「いやァ九条さんも、越前くんもありがとうね。」
越前「別に。」
『気にしないでください。いつも使わせてもらってますし。』
と言いながらオーナーから貰ったジュースを飲む。
オレンジジュースって美味しいよねわかる。(自己完結)
越前「そういえばA先輩はなんでここにいるんすか?」
『え?あんたはバカか。テニスするために決まってんじゃん。』
越前「じゃ俺の相手してくださいよ。」
『嫌です。』
越前「…ムス」
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年1月14日 1時