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アリスストーン ページ42
「あのね」
急にAが俯き黙り込む
静かに流れる時間
しばらく考え込んだ後
ポケットの中から何かを取り出し
「これ、貰って」
綺麗にラッピングした袋を渡される
少し重たい袋を受け取り
丁寧にラッピングを外す
中にはアクアマリンの綺麗な石
アリスストーンか
少し小ぶりなその石を取り出すと
俺は空に掲げた
「えっと鳴海先生に作り方教えてもらって」
消えそうな声で呟く
Aの顔は真っ赤に染まっていた
「サンキュ」
小さくコクンと頷き微笑むA
こいつアリスストーン渡す意味知ってるのか
俺の中で一つの疑問が浮かび上がる
アリスストーンを交換したら将来ずっと一緒に
幸せになれる
そんな伝説があって
プロポーズの意味で使われる
そんな話をクラスのやつに昔聞いたことがある
アリスストーンの渡す意味
こいつは知ってて俺に渡したのか
1人考えを巡らせる
「これは一方的に渡しただけで交換じゃないからね」
真っ赤に染まった顔でそう呟く
こいつ知ってて渡してるな
「あと、明日私借り物競走出るのから見に来てね」
早口でそれだけ言うと逃げる様に
パタパタと走っていった
なんだあれ
俺は呆気に取られ走り去るAの後ろ姿を見つめた
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作者名：ミルクティー | 作成日時：2020年3月28日 16時
