アリス ページ32
腕を引っ張られ抱きしめられる形になる
明智くんは私の頬を少し舐めて
「甘い」
そう言って、ニヤニヤしながらさらに続けようと
首筋をなぞった
「いやぁぁぁお願い辞めて」
私は明智くんの胸を押し距離を取ろうとする
しかし男の子の力に叶うはずもなく
私の抵抗は虚しく終わる
アリスを使って逃げるしかない
きっと今ここでアリスを使ったら騒ぎになるよね
一瞬アリスを使うのを躊躇う
明智くんは私の首筋を舐めた
今はこれしか無い
約束守れなくてごめんね
一呼吸置き
アリスを力一杯使う
あっという間に教室が氷に包まれる
しかし、
どれだけ力を使おうと
明智くんの体は凍らなかった
なんでよアリス使ってるのに、凍ってよお願い
力一杯使い続けたアリスにより
氷は既に廊下にまで差し掛かっていた
明智くんは初めは驚いた様子だったが
自分に聞かないと知ると
「残念だったね僕には効かないみたい」
じゃあ続きだね
そう言いながら無理矢理顔を近づける
もう無理
きつく閉じ目を閉じた
唇に暖かいものが触れる
キスされた？
「やめてっ」
私は明智くんを力一杯押し距離を取ると
さらにアリスを使った
アリスを使い過ぎたのか私はそこで意識を手放した
あぁごめんね棗…流架…
「好きだよA」
薄れゆく意識の中明智くんの最後の言葉が
頭の中に響いた
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作者名：ミルクティー | 作成日時：2020年3月28日 16時
