122話 安堵か落胆か ページ29
どうしようどうしようと動きの鈍い頭で考えていると、背後の扉から「ピザーラ神野店でーす」というピザ屋さんの元気な声がしまして、私はもちろん爆豪くんも弔さんも呆けた顔をしてそちらを注視した。
空気読めよと思ったのは一瞬だけで、瞬きを1つする間に左手の壁が大きな音をたててぶち破られオールマイト先生が登場した。事態が呑み込めず、ただただ目を点にするしかない。
あっという間に森林浴みたいなヒーロー名の人が連合の人たちを拘束し、黒霧さんが忍者みたいな人に体を一突きされガクンと項垂れた。
ひぃ殺された！？と思ったら気絶させただけらしいので安心した。
荼毘さんが炎を出しかけていたけど、危険と判断されたのか小さくて早いおじいさんヒーローに蹴られて気を失っていた。
うひょースピード解決だ…。せめてここから逃げられればと思ってたけどそんなの杞憂だった。
「怖かったろうに…よく耐えた！ごめんな…もう大丈夫だ少年少女！」
「こっ…怖くねえよヨユーだクソッ！！」
『せ、んせえぇ………！』
正直なところ安心した。助けがきた。これで爆豪くんは大丈夫。
けど反面、不安になった。ヒーローが捕まえにきた。弔さんの安否が揺らぐ。
安堵か落胆か、どちらのモノかは定かではないがへなへなと座り込み涙で床を濡らした。
普通ならここは喜ぶべきなんだけど、いかんせん変な薬を盛られた所為かハッキリしない。
情緒不安定か…これはコミュ障が幸いしているのか叫ばないだけだいぶマシなんじゃないか私に盛られた薬。
たった一つの不安要素を認識しただけで頭ん中ぐちゃぐちゃだ。ってか
私は私がわからないよ。
ヒーローは正義で誠実で光で、私や皆の憧れだ。そこは揺るがない。
私はヒーローを目指していて、本来は弔さんは悪で、敵で、倒すべき人。でも私は彼を失いたくはない。
黒霧さんにだって同じ事が言える。失いたくない、居なくなってほしくない大切な人。
どうすれば、どうしたら、どうしていればよかったのか。
片方を選べばもう片方が救えず、逆を選べばやはり片方を救えない。
私のワガママである事はわかってる…でも私は２つを救いたい。
私の中で彼らの存在は大きくなりすぎた。
私はいったいどうすれば…どうしていたら…。
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ほたる(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございます(｀・ω・)ゞ次回予告は勢いと矛盾を意識してギャグ90％くらいで書いてるので笑っていただいて嬉しいです(*´艸`*) (2017年11月12日 11時) (
レス) id: 3dd2c6dc8f (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 次回予告で盛大に吹きましたwwwめっちゃ好きですw (2017年11月9日 21時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
庵 - そう。頑張ってくれるナラ、何でも良いヨ。 (2017年10月23日 22時) (レス) id: 781a67beb0 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 水千 翔さん» ありがとうございます( ；∀；)他の方々より執筆はだいぶ遅いと自覚はしているのですが、そう言っていただけるとほわっとします(*´ω｀*) (2017年10月20日 17時) (レス) id: c559bfe8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます！庵さん流ツンデレ激励と脳内変換して頑張ります！ (2017年10月20日 17時) (レス) id: c559bfe8e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2017年2月14日 14時
