龍姫の持つ切り札 ページ39
そもそも、罪を償うという考え自体が甘えなのだ。
ーー王族として歩むのであれば、捨てなければならない罪悪感
持ってはならない、情がある。
たとえ、何人を犠牲にしても、国の事だけを考えるからこそ、龍の国の為政者に相応しいのだろう。
貴「私は何も持たぬ姫だ」
ｼｱﾝ「！」
少しずつ下がりながら攻撃を躱していたAが、不意に反撃に転じる。
盾にした左腕にメスが2本刺さり、血が噴き出す。
ーー地位も、富も、名声も、
ーー王族としての経験も、何も持たない、力の無い姫
貴「だから私は、自分に使えるものは何でも使う！」
洗心がシアンの鳩尾を突く。
思わずシアンはえずいた。
王族としてなら、Aは何も持たない。
だけど、Aの歩んできた道に、何も無いことなんてなかった。
貴「我を祈れーーー」
ｼｱﾝ「この…！」
ーーたとえ、あの日、母を殺めたときのように
ーー最善の道を選ぶだけの人生だったとしても、
シアンが投げたメスを、最小限の動きで躱す。
貴「和心一閃！！」
ｼｱﾝ「！！？」
ーー私は、心を捨てたりしない
ーーもう、2度と！
.
ﾌﾗﾝｷｰ「決着はついたか嬢ちゃん！！」
洗心を鞘に戻したAに、フランキーが叫ぶ。
ﾌﾗﾝｷｰ「この船に乗れ！脱出船に使うぞ！後は麦わら達を待つだけだ！」
海兵達を海に落としたフランキーとロビン、キキョウの3人がAを晴れやかな目で見つめていた。
既にエニエス・ロビーに発動されたバスターコールは始まっており、海軍本部中将を乗せた軍艦の艦隊による砲撃が、島を襲っていた。
麦わらの一味と合流次第、速やかに脱出しなければ、全員命は無いだろう。
Aも脱出船を守ろうと踏み出したその時。
ｼｱﾝ「……何故…トドメをささないのですか…」
まだ意識のあったらしいシアンの声が引き留める。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏目海(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！レインの話は勿論ですが、オムライスのエピソードも考えてはいるので、出せるように頑張ります！ (5月1日 15時) (
レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 今後、レインがどうなってしまうのかとても気になります。レインが敵になると、とても強そうですね（笑）話の内容が、今後どうなるか気になります！なにげに、夢主がオムライスを作っているところ、食べているとこがみたいです。 (4月30日 16時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
冬眠。(プロフ) - 夏目海さん» 迷惑にならなくて良かったです........！この作品大好きです、これからも頑張ってください！(⑉･ ･⑉) (2023年4月7日 12時) (レス) id: a8a625eabf (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - 冬眠。さん» ご指摘ありがとうございます！訂正致しました。気を付けてるつもりなのですが、結構誤字もあるので、教えて頂けるととても有り難いです…！ (2023年4月7日 10時) (レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
冬眠。(プロフ) - コメント失礼します。和心一閃の回ですが、レッドとレインのセリフが逆になっている気がしました。迷惑でしたら申し訳ないのですが…一応報告させていただきました。( . .)" (2023年4月7日 1時) (レス) @page33 id: a8a625eabf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏目海 | 作成日時：2023年2月19日 8時
