海賊龍姫物語（5-2）

解放 ページ36

ｳｿｯﾌﾟ《キキョウくん、キキョウくん。こちらそげキング》



ｷｷｮｳ「ええ、聞こえています。姫君とロビンさんも貴方のお蔭で無事です」


ｳｿｯﾌﾟ《ああ、間に合って何よりだ！》



子電伝虫を持ったキキョウも近くにやって来た。




ｳｿｯﾌﾟ《それよりその付近に小さな赤い布の包みが落ちている筈だ》


ﾌﾗﾝｷｰ「これか…あるぞ」



フランキーがその包みを手に取る。



ｳｿｯﾌﾟ《鍵が2本入ってる。フランキー君のと合わせて、鍵は全て揃う筈だ！》



ｽﾊﾟﾝﾀﾞﾑ「鍵全部ーーー！？」



ｳｿｯﾌﾟ《確かに届けたぞ》










ロビンを捕らえていた海楼石の手錠の鍵。



フランキーは元々持っていた自身の物も含めて、早速試した。




ﾌﾗﾝｷｰ「…外れた！」


ﾛﾋﾞﾝ「…！」



自由となったロビンは思わず膝の力が抜けるが、フランキーに支えられる。





ﾌﾗﾝｷｰ「しっかりしやがれ。それと後は嬢ちゃんのそれだな」


貴「フランキーお前…火は出せないか？」


ﾌﾗﾝｷｰ「あ？それくらいお安い御用だが…」


貴「私の腕ごとで構わない。氷草は火に弱い。燃やせ」


ﾌﾗﾝｷｰ「成程！って出来るか！？おめェ嫁入り前の娘がそんな事、」


貴「いいからやれ！」



Aの剣幕に押され、ブツブツ言いながらもフランキーはAの腕に向けて火を吹く。




貴「…っ」


ジリジリと皮膚が焼ける感覚に少し顔を歪めるも、ずっと腕を覆っていた不快な感覚が消えていく。



何度か手を開いたり閉じたりして、自身の力が戻ってきた事を実感した。






貴「…よし」


ｷｷｮｳ「姫様、これを」



キキョウが真っ白な刀を差し出す。



貴「ありがとう」



洗心を持ったAは早速鞘から抜いた。





貴「明るくあれーーー」



目の前で銃を構える海兵達を睨む。



貴「ーーー雪月花！」


「「「ぐあっ！？」」」



細かい連続攻撃は、マシンガンのように、海兵達を襲う。




Aの隣でロビンもまた、自由になった身で暴れ出す。



ﾛﾋﾞﾝ「六輪咲き(ｾｲｽﾌﾙｰﾙ)…スラップ！」


ｽﾊﾟﾝﾀﾞﾑ「ホゲぶ！」



今までの仕返しと言わんばかりに、スパンダムの顔を何度も叩いた。





ｷｷｮｳ「皆さん急いでこちらへ来れますか！」


ﾌﾗﾝｷｰ「脱出の準備は整えとく！」


ｳｿｯﾌﾟ《了解した！》



通話が切れて、辺りはパニックとなる。

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