海賊龍姫物語ーFILM STRONG WORLDー (ページ5)

今日:12 hit、昨日:7 hit、合計:24,016 hit

金獅子の登場ページ5

相手の意図を察して、ナミがサイクロンの襲来と回避方法について、音貝(ﾄｰﾝﾀﾞｲｱﾙ)に声を吹き込むと、ほどなくして貝はまた浮かび上がり、島船に戻って行った。

ﾅﾐ「さァ、こっちも回避するわよ！取り舵いっぱい！」

ﾌﾗﾝｷｰ「おおっ！」

船大工兼操舵手のフランキーが舵を切る。

その後、ナミの指示によってフランキーはサニー号に導入されている秘密装備を起動させた。

ﾌﾗﾝｷｰ「コーラエンジン！パドルシップ・サニー号！」

左右の船腹に備えられたパドルがはり出す。

その隙に帆は他の仲間達の手により畳まれていた。

人数は少ないが、その連携力は優れたもの。

あっという間に麦わらの一味はサイクロンの危機を回避したのだった。

.

危機を脱したサウザンドサニー号の甲板に、頭上の島船から、1人の男が舞い降りた。

葉巻を咥えた袴姿の老人は、ワイヤーで吊られてきたわけでもなく、まさしく空を飛んで降りてきたと表現するに相応しい。

ｼｷ「俺は金獅子のシキ…！海賊だ」

唖然とする一同に、男は名乗った。

驚くルフィ達に、シキは話を切り出す。

ｼｷ「先程の音貝(ﾄｰﾝﾀﾞｲｱﾙ)の声の主は？」

ﾅﾐ「私だけど」

ナミが答えると、シキは目を細める。

ｼｷ「ほぅ…ベイビーちゃんが？さっきはすまなかったな。礼を言う」

ﾙﾌｨ「なァ、おっさん！何であれ浮いてるんだ？」

ルフィが頭上の島船を指差す。

ｼｷ「あァ、あれか。フワフワの実の能力だ。俺は触れたものを重力に関係なく自在にコントロールできる」

能力者だと名乗ったシキは甲板を見回し、ゾロがいつも鍛錬に使っているダンベルの方へ歩いていく。

その両足は義足で、しかも刃渡り数十センチの刃が先についている為、歩く度に金属音が鳴った。

身を屈めると、シキは指先で軽くダンベルに触れた。それから腰を伸ばすと右手を上げる。

次の瞬間、ダンベルがフワフワと浮かび上がった。

ｳｿｯﾌﾟ「おおっ！」

ﾁｮｯﾊﾟｰ「すげェ！」

ウソップとチョッパーは素直に歓声を上げた。