ビリー ページ14
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ﾅﾐ「皆は？」
ﾙﾌｨ「あれから誰とも会ってねェよ。幾つも島があって広いんだここ！まさか最初に2人に会えるとは思わなかったよ」
ルフィは電気で丸焼きになったサソリを食べながら言う。
ﾙﾌｨ「ナミもAも食べろよ、このサソリ旨いぞ！な、ビリー！」
ﾅﾐ「ノーサンキュー…って、ビリーって？」
貴「一口貰おうかな。その鳥の名前か？」
ﾙﾌｨ「そうだ！ビリッてくるだろ？」
ルフィにサソリを分けてもらい、Aも一口食すのを、ナミはドン引きしながら眺めていた。
ルフィは食事中のエレキ鳥、ビリーに触れる。その瞬間、反射的に放電されたが、何事もなく嘴を撫で続ける。
ﾅﾐ「そっか…ゴム人間だから電気は効かないんだったね」
筋肉だけでなく骨や内臓まで、全身がゴムとしての性質を持つルフィだからこそ、絶縁体の特性で、電撃を無効化していた。
ﾅﾐ「さてと…サニー号も見つかった事だし。皆を待つ？それとも捜す？」
ﾙﾌｨ「捜す！」
行動派のルフィの答えは明快。
ナミもAも、分かりきっていた答えだと言わんばかりに笑って頷いた。
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ﾙﾌｨ「なんか臭うな…？」
ﾅﾐ「そういえば、ちょっと薬臭い…」
風に混じって妙な臭いを感じた時、ビリーが突然、翼を翻して急上昇し、ぶはぁっと苦しそうに息をついた。
ーー息を止めていたのか…？
疑問に思って、島を見下ろす。
ﾙﾌｨ「村だ」
徐ろにルフィが指差した。
湖のほとりに、小さな村が見え、どうやら人が住んでいる様子である。
ﾅﾐ「あの樹は…シキの王宮の周りにもあったわ！」
村を囲う、幹が細周りで空に根を生やしたように見える、独特な形の木を、ナミは指差す。
貴「この妙な臭い…あの樹からしていないか？」
ﾅﾐ「ええ。ひょっとして、あの樹の臭いが苦手なのかも」
ナミの言葉に、ビリーはクォッと鳴いて頷いた。
貴「王宮や村があの樹に覆われているという事は、動物の苦手な臭いで、安全地帯を作り上げているという事か」
ﾙﾌｨ「じゃあ皆もあの村に逃げてるかもしれないな」
やむなくナミがビリーに鼻栓をし、湖畔の村へと滑空した。
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作者名：夏目海 | 作成日時：2023年1月22日 22時
