海賊龍姫物語（6-3）

【past story】狐面の旅人19 ページ46

自身の身体の一部がローの手にあることが信じられないのだろう。



Aも事前にオペオペの実について聞いてはいたが、つくづく理不尽な能力だとは思う。




ﾛｰ「この洞穴の中はもう、俺の手術室も同然だ」



《おのれ…！ならば直接噛み砕くまで！》



シノカミの標的がローに移る。





貴「我を祈れーーー」



それは、Aにとっては大きな隙だった。



貴「和心一閃！！」



最大威力の攻撃に、流石のシノカミも地面に落ちる。




ﾛｰ「カウンターショック」



そこへ容赦なく、ローからの追加攻撃が加えられて。




ビクッ、ビクッ…！と何度か痙攣したシノカミは動かなくなった。







ﾛｰ「ベポ達が島民を抑えてるし、うちのクルーが船で迎えにきている。さっさと出るぞ」



用は済んだと言わんばかりに洞穴から出ていくローに続いて、3人も後ろを駆けた。









洞穴から出ると、月明かりが目に優しく辺りを照らしていた。



ﾍﾞﾎﾟ「キャプテンだ！」


ｼｬﾁ「キャプテン！もう俺達限界！」


ﾍﾟﾝｷﾞﾝ「怪我させずに抑えるのは骨が折れる！」



そう言う3人は、一般人に怪我はさせられないと、マトモに反撃も出来ず、ボロボロになっていた。





「姫様が生きているぞ！」



誰かが叫んだその声に帯びた感情は、残念ながら歓喜や安堵を感じさせるものではなくて。



何故生きているのだ、とそんな視線を感じ取ったメイジーは、逃げるようにAの後ろに隠れた。





貴「生贄が生きていて不服か？」



努めて冷静にAが問うと、「シノカミ様はどうした！」と質問が返ってくる。




ﾛｰ「ミアズマバットの変異種なら始末した」


「始末しただって！？」



ローが答えを返すと、どよめきが走る。





「何て事を！」


「シノカミ様が！？」


「この島はどうなるんだ！」



島民達はパニックになり、口々にロー達に罵声を浴びせる。




ﾛｰ「あれは守り神なんかじゃない。瘴気の元凶だ」


ｲｯｶｸ「あんたら騙されてたんだよ！」



「黙れ！海賊の言う事なんか信じられるか！」


「シノカミ様を返せ！」


「神聖な儀式を穢して、この島を滅茶苦茶にするるつもりか！」



一緒に現場にいたイッカクもローを助ける為に反論するが、もはや何を言っても聞き入れてはくれないだろう。





ﾒｲｼﾞｰ「っこの人達の言ってる事は本当よ」



堪らずといった様子で、メイジーがAの前に出る

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