【past story】狐面の旅人10 ページ37
「ハクさん」
宿屋の女性がAに声をかける。
もう出て行けと言われるだろうか、と一瞬想像するが。
「ありがとうございました。姫様に大切な想い出を作っていただいたのに、失礼な態度をとりました」
貴「いや…約束を破ってしまい申し訳ない」
「いえ、もう良いのです。…ただ、今後姫様と会うのはもうお止めになってください」
Aが言葉を返す前に、女性は続ける。
「貴方が善意で行ってくれるのは分かります。ですが、これ以上は姫様にとって未練になってしまう。折角、真珠式への気持ちも強めてくれたのですから」
ﾒｲｼﾞｰ「ハク、みんなの言う通りね。これ以上欲張ったら、大切なみんなを悲しませちゃうかもしれない」
メイジーは宝石のような笑顔を浮かべる。
ﾒｲｼﾞｰ「一生の想い出を、どうもありがとう！」
ーーメイジーが後悔しないのなら、
ハクは口角を上げると頷いた。
島民達に連れられて、メイジーが帰っていく。
その様子からも、彼らがどれほど“姫様”を大切にしているかが伝わってくる。
「さあ、ハクさんも帰りましょう」
貴「一つ聞いても？」
残った宿屋の女性に、Aは問いかける。
貴「真珠式とは、どんな儀式ですか」
メイジーの口振りからは、外部の者に漏らしてはいけないが故の説明の少なさなのか。
それとも、メイジー本人もどんな儀式か理解していないのか、判断がつかなかった。
ーーそう、そんな…
いわば、興味本位による質問だった。
「神聖な儀式です」
丁寧な言葉で、だけど「これ以上聞くな」と言わんばかりの圧を感じる言い方だった。
何より。
メイジーを海へ連れ出す前までは、気さくな話し方だった女性の、敬語に変わった違和感に気づかない筈はない。
そして、それだけではない違和感。
「「………」」
数秒、沈黙と共に見つめ合い、
貴「…分かった」
一旦は諦めたAはこれ以上踏み込むのは止め、女性の言う通りに宿屋へと戻ったのだった。
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夏目海(プロフ) - 白猫さん» 夢主のお人好しは長所であり、短所でもありますからね（笑）良い感じに頁余ってるなと思って始めたのですが、楽しんで頂けているのなら何よりです…！占ツクの仕様、難しい時ありますよね！気にしないでください。 (4月14日 10時) (
レス) id: 50c0c2c670 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - なんかバグって、同じ文を２回も送ってしまいました。すみません。 (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - ローもお人好しだけど、夢主も大概だね〜w そこが夢主の良いところでもあるんだけどね。そのお人好しが場合によっては、判断を鈍らせそうだな… 夢主とローたちの出会いを書いてくださってありがとうございます！忘れたくても忘れられない、出会いですね！最高！ (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - ローもお人好しだけど、夢主も大概だね〜w そこが夢主の良いところでもあるんだけどね。そのお人好しが場合によっては、判断を鈍らせそうだな… 夢主とローたちの出会いを書いてくださってありがとうございます！忘れたくても忘れられない、出会いですね！最高！ (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - あーむさん» 初めまして、コメントありがとうございます！FILMシリーズは書いてみたいと思ってるのですが、SW以外は2年後の為、まずは本編を進めようと考えています！マイペース更新ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです！ (4月2日 11時) (レス) id: acd2700718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目海 | 作成日時：2024年3月5日 13時
