【past story】狐面の旅人2 ページ29
そして。
ーー龍の姫の顔を知る者を、欺く事もできる
顔を隠すもう一つの理由。
後は、極力目立たぬように生きていけば良い。
ーーまるで、犯罪者だな
自嘲して、手にある狐面に目を落とす。
貴「……犯罪者と、変わらないか…」
多くの命を犠牲に、生きてきた。
客観的に見れば、なんて極悪人なのだろう。
『逃げろ、走れ!』
貴「ハク…、」
全く同じではないが、よく似ている狐の面。
龍の姫と関連のあった彼ではあるが、国王や元王妃ツバキ、現王妃のカンナまでは知っていても、龍の国の王女の世話係だった者まで知っている人間は外海にはいない。
貴「借りるぞ」
狐面が外れないように、しっかりと着ける。
この日から、Aはハクという狐面の男として旅を始めたのだった。
.
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ハクとして旅を始めてから、早3年。
17になったAは、すっかり1人旅が板についていた。
偉大なる航路(グランドライン)の天候には注意しなくてはならないが、海王類等の生物には、元々好かれる龍の姫の体質もあり、他の人に比べると、かなり楽に旅はできている。
かつてレインに教わった航海術も、今では慣れたものだ。
貴「ここが…カミヤ島」
以前、海戦に敗北したのであろうか、船員もなく漂流していた海賊船に、唯一残っていた永久指針(エターナルポース)を手に入れ、Aはカミヤ島に辿り着いた。
初めて訪れる島に上陸する際、毎度味わう緊張と高揚感に、胸が少しざわめく。
ーーこの気持ちを、共有する人達はもういない
『A!この島には何があんだろうな?』
『わかってると思うけど!目立つ行動はしちゃダメよ!』
脳裏に浮かぶ言葉に、思わず苦笑して。Aは船を着けると、浜辺に降り立った。
浜辺から森に、そして生い茂る木々を抜けると、こじんまりとした村が見えた。
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夏目海(プロフ) - 白猫さん» 夢主のお人好しは長所であり、短所でもありますからね(笑)良い感じに頁余ってるなと思って始めたのですが、楽しんで頂けているのなら何よりです…!占ツクの仕様、難しい時ありますよね!気にしないでください。 (4月14日 10時) (レス) id: 50c0c2c670 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - なんかバグって、同じ文を2回も送ってしまいました。すみません。 (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - ローもお人好しだけど、夢主も大概だね〜w そこが夢主の良いところでもあるんだけどね。そのお人好しが場合によっては、判断を鈍らせそうだな… 夢主とローたちの出会いを書いてくださってありがとうございます!忘れたくても忘れられない、出会いですね!最高! (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - ローもお人好しだけど、夢主も大概だね〜w そこが夢主の良いところでもあるんだけどね。そのお人好しが場合によっては、判断を鈍らせそうだな… 夢主とローたちの出会いを書いてくださってありがとうございます!忘れたくても忘れられない、出会いですね!最高! (4月13日 21時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - あーむさん» 初めまして、コメントありがとうございます!FILMシリーズは書いてみたいと思ってるのですが、SW以外は2年後の為、まずは本編を進めようと考えています!マイペース更新ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです! (4月2日 11時) (レス) id: acd2700718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目海 | 作成日時:2024年3月5日 13時