犠牲 ページ6
貴「私がお前について行く事も条件として認めると言ったな」
息を切らし、ふらつきながらも追い付いたAはくまに尋ねる。
ｸﾏ「ああ。龍の姫が生きて、抵抗なく手に入るのであれば、悪い話ではない」
ｿﾞﾛ「おい！俺が身代わりになる事で済んだんじゃねェのかよ！」
ｸﾏ「どちらでも構わないという話だ」
貴「なら連れて行け」
これでこの話は終わりだ、と。
Aはくまの方へと歩みを進める。
ｿﾞﾛ「A！お前はまた自分を犠牲にするつもりか！」
貴「私は殺されるわけじゃない。人の命とどちらを優先すべきか、どんな馬鹿だってわかる」
ーーこの状況で、七武海の男を退ける力は残っていない
ーー麦わらの一味は全滅しない
ーー誰も死なない
ーーこれが今できる最善
たとえAが囚われるとしても。
ーーきっと、ルフィは…
ーーみんなは、助けにきてくれる
今までの自己犠牲心とは違う。
信じてるから、踏み出せた一歩だった。
だけど、刹那の事だった。
殺気にも近い、ゾロの伸ばした手を避けようとして。
それ以上に速く、強い力に、抗えずにAは後ろに放り投げられる。
貴「！？…なっ、」
ｿﾞﾛ「悪ィな。こいつがいなくなると困る。船長のお気に入りなんだ」
まだ残っていた巨大肉球に、ゾロが手を伸ばす。
貴「やめろ！！」
後ろに倒れたAが手を伸ばすも、届かない。
今度こそ手を突っ込んだゾロの全身から血が噴き出し、聞きたくもない絶叫が響き渡る。
貴「っゾロォーーー！！！」
ただ、叫ぶことしかできなかった。
.
どれほどの時が経っただろう。
ｻﾝｼﾞ「Aちゃん！！」
サンジの声にも、Aは反応できなかった。
ｻﾝｼﾞ「顔が真っ青だ…！ここで一体、」
ずっと一点を見つめるAの視線を追いかけて、サンジは目を見開く。
ｻﾝｼﾞ「何だこの血の量は…！！」
全身血だらけで立つゾロの周囲にも、夥しい量の赤が飛び散っている。
ｻﾝｼﾞ「オイ…おめェ…生きてんのか！？アイツは何処だ！ここで何があった！？」
ｿﾞﾛ「…………なにも！な゛かった…！」
倒れるゾロを慌てて支えるサンジを眺めながら。
貴「…………、」
顔色を失ったAの片方の瞳から、涙が一筋流れた。
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夏目海(プロフ) - カケさん» 仰る通り、チョッパーの夢は万能薬ですよね！今回は東の海編なので出ませんでしたが、素敵な夢ですよね。（コメントが意図するものでなかったら、すみません） (3月5日 22時) (
レス) @page50 id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
カケ - チョッパーは万能役を目指し (3月5日 16時) (レス) @page16 id: 432e5e7332 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ルフィと過ごした年数が長いので、彼の影響も強く受けてると思います（笑） (3月3日 14時) (レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 夢主の「もしものストーリー」とてもいいですね！違和感もないですし、何ならもしものストーリの話も全部見てみたい気持ちもありますww 夢主もルフィと同じように、みんなの心に刺さるような言葉をサラッと言うのイイですね〜！ (3月2日 19時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - れなさん» ありがとうございます！冒険や生き様、仲間の絆メインのストーリーなので、逆ハーは私の力量的に難しいかもですが、少しずつ恋愛要素も織り交ぜられたらと思うので、今後も見守っていただけると幸いです。マイペース更新ですが、今後もよろしくお願いいたします！ (2月18日 19時) (レス) id: 8c8ee5df8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目海 | 作成日時：2023年11月22日 9時
