海賊龍姫物語（6-2）

解れない糸 ページ3

ｿﾞﾛ「お前らついでに助かっただけだ」


ﾅﾐ「何言ってんのよーっ！折角お礼をしたいって人々にーーっ！」


ｿﾞﾛ「！！」



お礼を断ろうとするゾロの頬をナミが思い切り叩く。



「そうだぜ、何かさせてくれー！」


「ついでだろうが、モリア達に勝てた事に感謝してんだ」


ﾅﾐ「でしょー？」


ｳｿｯﾌﾟ「お前、」


貴「ちゃっかりしてるな…」


ﾅﾐ「何か言った？ウソップ、A」


「「何も言ってません」」



漸く緊張の糸がほぐれ、和気藹々とした空気が訪れたと思った頃。





ﾅﾐ「ん？…そうだ私…！大変な事忘れてた……！」



ナミが顔色を変える。


その異変に皆が首を傾げると同時に。





《成程な。悪い予感が的中したというわけか》


「そのようで…」


《やっとクロコダイルの後任が決まった所だというのに、また一つ七武海に穴を空けるのはマズい》



崩壊しかけた建物の上で、電伝虫ごしの誰かと話す男の声が届く。




ｳｿｯﾌﾟ「誰だありゃあ！」


ﾅﾐ「落ち着いて聞いてよ…！？」



モリアとの戦いで言いそびれていたと、青い顔をしたままナミが告げる。





ﾅﾐ「この島には…もう1人…！いたの……！七武海が……！！」


「「「！！？」」」



ナミの言葉に、被害者の女性が目を見開く。



「……そうだわ。暴君と呼ばれてたあの海賊…バーソロミュー・くま！」



暴君くま。その名はAも聞いた事があった。





《世界政府より特命を下す…！麦わらの一味を含む、その島に残る者達全員を抹殺せよ》


ｸﾏ「……容易い」



聞こえてきた物騒な台詞。



七武海との2連戦、しかもルフィはもう戦えない。



ﾅﾐ「気を付けて！何かの能力者よ！アイツが手で触れた人間が…！消える所を見た……！そして本人は瞬間移動するわ！」



刹那、くまの姿が消えたかと思うと、目の前に現れる。



ｸﾏ「海賊狩りのゾロ、お前から始めようか…」



ゾロを見下ろし、くまは感慨深そうに述べた。



ｸﾏ「中々評判が高いぞお前達…色々と騒ぎを起こしているんだ。知らず知らず名が揚がるのは…何も船長だけではない」



構わずゾロは刀を構える。



ｳｿｯﾌﾟ「おいゾロ待てって！無茶だろ絶対！」


ｿﾞﾛ「災難ってのは畳み掛けるのが世の常だ。言い訳したらどなたか助けてくれんのか？」



既にボロボロの体で、それでもゾロはくまに斬りかかった。

もう1人の七武海→←許さない

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