【extra story】嫌いだった2 ページ37
だからこそ、レインを救いたいと言ったAの願いは、姫君の我儘にしか思えなかった。
ーーこの姫は知らぬだろう
ーーその勝手な願いに、どれほど多くの運命が動くのか
そう、思っていた。
ｷｷｮｳ「…少し、違いました」
知らぬわけではなかった。
寧ろ、知った上で、彼女は敢えてその道を選んでいた。
『判断を間違えれば人が死ぬ。そんなの、今までの人生で何度も経験してきた』
『私は何も持たぬ姫だ』
ｷｷｮｳ「時折見せる姫様のその眼差しは、命の重さを知る覚悟を宿した目。それは、まるで…」
途切れたキキョウが言おうとした続きを分かっていたのだろう。
ハクはフ、と電伝虫越しに笑った。
ﾊｸ《国王と同じ、“王者の目”か》
ｷｷｮｳ「ハク様は姫様をどうしようとお考えなのでしょうか。あの方は今は海賊ですよ」
ﾊｸ《嫌いと言ったわりに、随分と気にかけているようだ》
ｷｷｮｳ「っそれ、は」
む、とくちごもるキキョウに、ハクは「さあな」と呟いた。
ﾊｸ《旅人だろうが、海賊だろうが同じ事。どれだけ普通の女子として生きたいと願っても、龍の姫という肩書きが許さない》
ｷｷｮｳ「……」
ﾊｸ《あれは、そういう生き方しかできない運命を、生まれながらにして背負った王女だ》
ｷｷｮｳ「…だからハク様は、」
ーー姫様を守ろうとした
ーー敢えて、龍の姫の肩書きを利用する事で
そしてAもきっと、その事を理解しているからこそ。
ｷｷｮｳ「ハク様、訂正します」
気になった。
数奇な運命の元に生まれた彼女が。
ｷｷｮｳ「私は姫様が嫌いでした。だけど、姫様がどんな選択をするのか、見守りたいと…今はそう思います」
選ぶ道の行く末を見届けたい。
そう思うほどに、キキョウはAの事を存外気に入ってしまっていた。
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夏目海(プロフ) - 羽澄さん» その予定です。お待たせしております。期待に少しでも応えられるよう、精一杯頑張ります！ (10月7日 15時) (
レス) id: d43896e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - 白猫さん» お待たせしております！期待に少しでも応えられるよう、精一杯頑張ります！ (10月7日 15時) (レス) id: d43896e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
羽澄(プロフ) - 明日公開ですか？楽しみにしてます！ (10月7日 14時) (レス) @page41 id: 695e9108ed (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - もう少しで見れる！楽しみ！ (10月6日 19時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - 蒼さん» 10月ですね！笑 6th seasonは8日か9日頃に公開予定ですので、もう少しお待ちいただけると幸いです…！ (10月4日 20時) (レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目海 | 作成日時：2023年7月23日 21時
