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☆幼馴染 ページ7



「あ、恭弥。」

自分と姉が二人きりで住んでいるこじんまりとしたマンションの前に辿り着くと
突然後ろから声をかけられた。

「妃那!もう帰ってたんだな。…てかどうした。その恰好。」

声の主は隣の屋敷に住んでいる幼馴染の妃那だった。
なんだかよく分からないが、なぜか妃那は豪華な袴を履いていた。

「見りゃわかるでしょ。入学式、これで行かされたから。」

「まじかよ。」

妃那の家ははっきり言って金持ちだ。羨ましいくらいに。

「いやぁ、正直言ってお前が男だったらうちに勧誘したんだけどな〜。
 でも妃那の母さん、『教養がどうたら』って言えば
 楽器代とかめっちゃ出してくれそうなんだけどな〜」

「考えてることが酷すぎるよ恭弥。
 でも私も入れるならpassion、入りたかったな。兄さんの空きだけど。」

「そうだな。陽太センパイのギターは確かにヤバかった!」

そう。妃那の兄貴は元星謳生であるギタリストだ。
ギターが弾けない俺でもわかるほど、格別な腕を持っている。

妹である妃那は、兄貴の背中を追ってボーカリストを目指しているらしいが
なにせ深雪家は旅館だ。妃那は次の女将になるって、もう決められてるらしい。
だから本格的にユニット活動をする予定なのは秘密なんだとか。

「妃那も大変なんだな。」

俺がしみじみ呟くと、妃那は「何言ってるの」とおかしそうに笑った。

「あ、因みに妃那はもう勧誘とかされてたりしてんの?」

「まさか。自分でユニットを作ったら目立つし
 どこか勝てそうなバンドに介入してでも入れてもらう予定。」

「言うねえ。さすが妃那だわ。」

「そういえば明日は恭弥も演奏するんでしょ、新入生歓迎会。」

「ああ、まあな。帰ったら早速ドラムぶち壊すかぁ。」

ふざけたように言うと、妃那はまた小さく柔らかい笑みを零した。

「それじゃ頑張って。応援してるから。また明日。」

「おう!」


そう返すと、妃那は重たそうな袴の裾を持ち上げ
静かに家の玄関へ姿を消した。

ー♪→←☆早すぎる勧誘



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夏巻。(プロフ) - 凛月花さん» ありがとうございます。恭弥は鈍感なチャラ男ということで通してます()そうでした!申し訳ないです…!永愛君はギターのイメージが謎に強かった…← 訂正致しますね! (2020年9月12日 7時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - 続き書いて下さりありがとうございます!恭弥くんも花音に負けず劣らず鈍感なの良いですねw1つ訂正なのですが、永愛が持ってるのこの日からはベースでお願いします! (2020年9月11日 21時) (レス) id: b92803e9c0 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - 夏巻さん» いえいえ!私も学校が始まったら今のような更新は無理だと思うので。お互いこれからも頑張りましょう、こちらこそよろしくお願いします!! (2020年8月23日 19時) (レス) id: b92803e9c0 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - 凛月花さん» 了解しました!最近更新が遅れていて本当に申し訳ないです…アドバイス等はいつでも言って頂けると嬉しいです。足を引っ張ることもあるかもしれませんが、頑張るのでよろしくお願いします…! (2020年8月23日 17時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - いつも繋げてくださりありがとうございます!厳冬カプリチオの方も繋げて下さるとすごくうれしいです! (2020年8月23日 17時) (レス) id: b92803e9c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏巻 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hurawaxa/  
作成日時:2020年8月10日 21時

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