☆龍殺しの少女【オリジナルファンタジー】

十三　入団 ページ16

「それじゃ、吹雪ちゃんは入団手続きとして、ここの紙にサインしてくれないかな？」

「はい。」

差し出された紙に名前を書くと、吹雪は梨沙子の顔を見つめて次の指示を待った。

「それじゃあ、まずは吹雪ちゃん専用の武器作りからだね。」

「武器作りですか？」

「うん。流石に普通のナイフじゃ大型龍は倒せないじゃない？
それに、刃物は錆びたりするからね。
私の知り合いに武器作りを受け合ってくれる工房があったから、そこで暁専用の武器を作ってもらってるの。」

「なるほど。」

「それじゃ折角だし、玲奈が今から連れて行ってあげて…」

「団長、これからアカブキに刀合わせ行ってくる。」

吹雪は思わずノックもなしにドアを開けて入ってきた何者かの方を振り向いた。

「那月！OK分かった。
それならついでで良いから吹雪ちゃんも案内してあげてくれる？
確かついさっき聖羅も行くって言ってたから合流するかもだけど。」

「団長、私は…」

「怜奈は
もう上がっていいよ！お疲れ様。」

「分かりました。東雲さん、また今度。」

「うん。」

「あ、吹雪ちゃん。私が今取ってたメモ、アカブキに着いたら『あすま』っていう人に見せておいてくれない？武器づくりの参考になると思うから。」

「分かりました。渡しておきます。」


「…行くよ。」

先程の少女が、面倒臭そうに吹雪を誘導した。

「あ…はい。」

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