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詩織 side
私の妊娠が分かってから、元々飲み会に参加するタイプではなかった彰さんはより急いで帰宅してくれるようになった。
そんな中私は、悪阻がひどいためお仕事を少しセーブしている。
あまりイベントなど人前に出る仕事を受けてこなかったため、今の所怪しまれてはいないようだ。
彰「ただいま。」
詩織「お帰りなさい。」
彰「体調はどう？」
詩織「今は少し落ち着いてます。」
彰「そっか。帰りにゼリーとか買ってきたけど食べられそう？」
詩織「ありがとうございます！少しいただきます。」
彰「分かった。じゃあ、スプーンとか持ってくるね。」
詩織「こんなに沢山！ありがとうございます。」
彰「どの味なら食べられるとか分からなかったから、とりあえず全部1つずつ買ってきたよ。」
詩織「選び放題ですね。」
彰「…つわりとか大変なのにありがとう。」
詩織「突然どうしたんですか？…こちらこそいつもありがとうございます。」
彰「詩織ばかりにつらい思いをさせているなと思って…。」
詩織「そんなこと無いです！彰さんが沢山協力してくださっているから、私はこうして元気に過ごせています。それに、彰さんが赤ちゃんのこと、沢山お勉強してくれているの知っていますよ！！」
彰「僕には分からないことだらけだから。」
詩織「それを勉強してくれていることがありがたいんです。世の中、彰さんのような方はきっと貴重ですよ！ねー、赤ちゃん！」
お腹をさすりながら、赤ちゃんにも語りかけてみる。
彰「…そっか。でも僕は、詩織の気持ちを完全には読み取れないことも多いと思う。だから、今してほしいこととか辛いこととかできるだけ言葉にしてほしい。」
そんなことはないと思う。
彰さんは、私が自覚するより先に私の体調不良に気付くし、いつも気遣ってくれている。
詩織「それはお互い様ですよ。私は、彰さんの気持ちも知りたいです。だから、お互いこうして沢山お話していきましょ！」
彰「そうだね。こういう時間を大切にしよう。」
最近の日課である、赤ちゃんに話しかける時間。
詩織「今日も、彰さんは素敵だったねー！…君にも彰さんみたいに素敵な人に育ってほしいよ…。」
彰「お風呂上がったよー！…随分恥ずかしいことを教え込んでるね。」
詩織「事実ですから！」
彰「僕みたいにはならないほうが良いんだよ！」
詩織「何でですか！」
彰「まぁまぁ、もう寝る時間だよ。寝室行こう。」
詩織「…はーい。」
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作者名：つっきー | 作成日時：2023年12月29日 20時
