５杯目.先生 ページ5
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「轟さん！海ですわ！人がいっぱいですわ！私、プライベートビーチがありますので新鮮ですわ！」
「あぁ」
初めて人が沢山いる海に来た八百万。興奮しているのもわかる。俺も、海は初めてで、内心昂っている。
今日は、A組のみんなで海に遊びに来ていた。泳ぐ人もいれば、見ているだけの人、峰田と上鳴に至っては、ナンパを始めている。
俺は海の家の前のベンチに座り、みんなの様子を眺めていた。
「お、おい！轟ぃ！！」
暫くして、峰田と上鳴がものすごい形相でこちらに走ってきた。2人とも息を切らし、大きく肩を揺らしている。
「？」
「あの、轟とよく一緒に居る女子。名前わかんねぇけど！そいつがいる！」
「そうか」
家族か、俺たちみたいに友達とで海に来ているんだろう。話しかけに行くのは良くないと思い、2人の話を流す事にした。
「友達か、家族と来てるんだろう。放っといてやれ」
「いや、それがさ！」
「男連れてたんだよ！轟ぃ！」
峰田はそう言って叫ぶと、しかもイケメンだった。イケメン滅べ！と恨みを込めて嘆いていた。それは、聞き捨てならねぇ。俺はAの居たという場所に向かう事にした。
そこへ行くと、確かにAが居た。しかし一人でいた。ので、俺は話しかけるべく近くへ寄った。
「A」
「焦凍くん。どうしているの？友達とかと？」
「あぁ。Aは？」
「私は……実家の病院で先生してる人と」
少し含みのある言い方をするA。Aは大きめのパーカーを着ていて、水着がどんなものか分からない格好をしていた。いや、別に見てぇわけじゃねぇよ。
「A。おまたせ」
そう言ってやってきた男は峰田の言う通り、顔の造形がいい人だった。手にはアイスコーヒーを持っていて、Aのためのものだと分かる。
彼氏……だろうか？やはり、醜い火傷の後がある俺なんて、眼中に無いのだろうか。
？……なんだそれ。
夏の暑さに酔った昼頃。
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そると(プロフ) - まぐろさん» ありがとうございます。コメントひとつでとても頑張れます。 (2020年5月4日 22時) (
レス) id: 641f44195a (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ - この作品とっっても好きです！文才すごいですね！尊敬します！！連載頑張ってください！！！ (2020年5月4日 10時) (レス) id: 6f9f768198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作成日時：2020年4月29日 19時
