14杯目.カフェ ページ14
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「このカフェ良かったよね」
「ああ、次はここもどうだ？」
私たちは付き合ってから毎週水曜日の放課後は、カフェデートをする事になった。
いいね。ここ行こうか。なんて話すのは日課となりつつある。休日は蕎麦屋巡りで、私も蕎麦が好物になりつつある。
対して焦凍くんはまだまだ甘いコーヒーを頼んでいる。お子ちゃまだね。なんて言いながらも、お互い無言で啜るこの時間が1番好きだ。
「無言で苦じゃない人っていいよね」
「……お前とかな」
そんな直球に言われると、照れちゃうよ。でも確かに、付き合う前から私たちは無言でいることが多かった。
お互い無口な性格というのもあるのだろう。あまり話さないが、苦ではなく、それが逆に心地良い。
「よし、行くか」
うん。お互い、まだお金を稼いでいないので奢り奢られはしないという約束だ。最初、焦凍くんは奢ってくれようとした。
でもそのお金はエンデヴァーさんが命をかけて稼いでくれているお金であって、焦凍くんがバイトして稼いだ訳では無いので、焦凍くんが稼ぎ始めたら奢って。と約束をしたのだ。
焦凍くんも確かにと納得をした。
「美味しかったね」
「ああ」
その帰り道、私は激しい腹痛に襲われた。腹痛は腰へ回ると、背中、そこから全身へと広がって行った。
呻き声をあげる私に、焦凍くんは素早く救急車を呼んでくれた。
微かに声が聞こえる。
「薔薇総合病院へ向かってください！彼女の行きつけで、主治医は坂城です！」
「分かりました。お兄さんはどうなさいますか？」
「俺も一緒に行きます！」
そんな切羽詰まった顔しなくていいよ。まだ死なないから。さ。
私は遠ざかる意識の中、焦凍くんへ手を伸ばした。彼はその手をしっかりと掴むと、両手で握り、頬へと触れさせた。
傾いていた砂時計の動き出す音がした
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そると(プロフ) - まぐろさん» ありがとうございます。コメントひとつでとても頑張れます。 (2020年5月4日 22時) (
レス) id: 641f44195a (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ - この作品とっっても好きです！文才すごいですね！尊敬します！！連載頑張ってください！！！ (2020年5月4日 10時) (レス) id: 6f9f768198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作成日時：2020年4月29日 19時
