11杯目.告白 ページ11
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Aから聞いた。衝撃の一言。
「……なんて……？」
俺は思わず聞き返してしまった。なんて？どういう事だ。死ぬ……のか？死んで欲しくない。Aが居なくなるのか？
「いやだ」
彼女はただ、何も言わずに俺の顔を見つめるだけだった。
俺の手にはコンビニで買ったペットボトルのブラックコーヒーが握られている。汗をかいているそれは、俺の手を濡らす。
「こんなの……」
そう言って、俺はベッドへ近づいた。Aはそんな俺を黙って見つめて、小さな声で呟いた。
「死にたくないんだ」
そう言って、静かに俯く彼女。俺はAの視線まで屈むと、顔を覗き込み、見つめた。。Aは不思議そうな顔をして俺を見つめ返した。
「死なねぇよ」
今思えば、ただの気休めだった。でもその時俺は心の中からそう思ったのだ。そして半ば強引に唇を重ねた。
「俺はお前が好きだ。死ぬなんて言うな」
そう言って、強く抱き締めた。Aは私も。とだけ答えると、俺に腕を回すと、私も好きだし、本当は死にたくない。と、そう言って泣いた。
「これ、」
俺は1度離れ、彼女に先程買ったペットボトルを渡した。それは俺の体温で温くなっていた。でもAはそれを受け取ると、嬉しそうな声で
「ありがとう」
そう一言零した。
その日も彼女は笑わなかった。
両想いになれた嬉しさと、付き合えた嬉しさと、もうすぐ死ぬという悲しさで、俺の感情はぐちゃぐちゃだった。
勢い余って発した告白。交わした唇。
「恥ずかしいね」
彼女はそう言って頬を赤らめると、そっぽを向いた。こんな時に強引に顔は見れねぇのか。と思いつつも、彼女がこちらを向くのを待った。
「ねぇ、顔真っ赤だよ」
「お前もな」
初めて好きになった人は
世界から居なくなる人でした
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そると(プロフ) - まぐろさん» ありがとうございます。コメントひとつでとても頑張れます。 (2020年5月4日 22時) (
レス) id: 641f44195a (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ - この作品とっっても好きです！文才すごいですね！尊敬します！！連載頑張ってください！！！ (2020年5月4日 10時) (レス) id: 6f9f768198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作成日時：2020年4月29日 19時
