２杯目.食堂 ページ2
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初めて君に会ったのは、雄英高校の食堂だった。
私は昼食のコーヒーを運び、席へ向かっていた。その時だった。目の前に突然人が現れ、私は止まれずにその人にコーヒーをかけてしまった。
「あっつ」
「ごめんなさい。大丈夫？」
食堂にはマグカップの割れる音だけが響いた。
「あぁ…大丈夫だ」
そう言って彼は割れたガラス片を拾おうとしゃがみこんだ。
「絶対大丈夫なわけないじゃない。ごめん、片付けお願いできるかな？」
私は友達に残りの片付けをお願いし、半ば強引に彼を医務室まで連れて行った。
そして急いでいるのでノックをせず、扉を開けた。
「扉を乱暴に開けんじゃないと何回言えばわかる。A」
「ごめんねお祖母ちゃん。でも急ぎだから。タオルと着替えと、あと大きめの保冷剤出してくれる？」
そう、リカバリーガールこと修善寺治与は私の母方の祖母に当たる。ので、医務室は勝手が知れてるのだ。
私はタオルを受け取って水に濡らし、シャツを脱いだ彼の背中を拭いた。彼の背中は真っ赤になっており、とても大丈夫そうには見えなかった。
「背中赤くなってるよ。大丈夫じゃないじゃん。」
「あぁ。すまねぇ」
コーヒーを拭き取り、タオルに巻いた保冷剤を彼の背中へ当てる。少し冷たくて驚いたのか、肩をびくつかせる彼が少し可愛いと思えた。
「さっきは本当にごめんね。私は薔薇A。1-C」
「俺は轟焦凍。1-A」
ヒーロー科……ってエリート学科じゃん。そんな将来すごい人に私はコーヒーをかけてしまったのか。でも第一、周りを見ないで出てきた轟くんも轟くんで悪いと思うけどね。
その日の昼休み、私は轟くんと過ごしたのをきっかけに少しづつ仲良くなるのだった。
これが、わたしと彼のよくありそうであまりない出会い方だ。
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そると(プロフ) - まぐろさん» ありがとうございます。コメントひとつでとても頑張れます。 (2020年5月4日 22時) (
レス) id: 641f44195a (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ - この作品とっっても好きです！文才すごいですね！尊敬します！！連載頑張ってください！！！ (2020年5月4日 10時) (レス) id: 6f9f768198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作成日時：2020年4月29日 19時
