# 5 ページ5
．
「おはようございます」
出勤して自分のデスクに座ると、目の前のひまはなにやらスマホとにらめっこ中。
「おはよう」
ひま「あ、おはよ！」
挨拶をしたら返されて、するとまたスマホとにらめっこするひま。
しかもそのひまの顔がなんだか怖かった。
「なんでそんなスマホとにらめっこしてんの」
ひま「あぁ、ちょっとね(笑)」
「ふーん」
そういえば、あの時言ってたなつきの好きな人は誰なのだろうか。
少し、というかだいぶ気になっていた。
そんなある日の帰り、ひまが見知らぬ男の人と歩いているのを見かけた。
ひま「あれ、京介？」
「お、おう」
ひま「今帰り？」
「うんそーだよ」
？「だれ？」
ひま「あ、会社の同期の京介」
？「お、そーなんだ。はじめまして」
そういってお辞儀をしてくる見知らぬ男。
そして爽やかな笑顔を向けてくる。
俺よりもはるかに身長が大きくて、かっこいい人だった。
？「俺、木村柾哉です」
「藤牧京介です」
柾哉「じゃあ、また」
ひま「またね、京介」
「うん」
なぜかあのふたりをみるともやっとするのはなんでなんだろうか。
この時の俺は知らなかった。
次の日、ひまとランチに行っていた。
「昨日の木村さんって人さ」
ひま「うん」
「かっこいいね」
ひま「でしょでしょ(笑)」
「…もしかして好きな人？」
ひま「……バレた？(笑)」
そう言ったひまの顔はやっぱり少し苦しそうだった。
きっと、何かがある。
けどそれを俺は知ってもいいのか？
ずかずかとふたりの関係に入っていいのか？
そう思うと何も言うことは出来なくて。
「がんばれよ」
と、言っていた。
そして、やっぱりもやっとした気持ちが残っていた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東雲 | 作成日時：2021年7月25日 17時
