# 4 ページ4
．
ひま「これどこに捨てればいいの〜？」
「それはこっち」
そして仕事が休みの日、ひまに部屋の片付けを手伝ってもらっていた。
置いてあった歯ブラシもコップも化粧道具も全て捨てた。
ただ、ひとつ残るのはベッドだった。
ひま「捨てたくないなら捨てなくていいんじゃない？」
「…」
ひま「新しく気になることか出来たら捨てればいいじゃん」
「けど、」
ひま「無理に捨てる必要なんてないんだよ？」
「……うん」
このベッドは元カノとふたりで仲良く選んだベッドだから思い出はなによりも残っている物だからこそ、手離したくないっていう気持ちが強い。
だからひまの言った言葉を受け止めた。
ソファに座っていると、とことこと何かを持ってくるひま。
ひま「ねね、これ美味しいよ〜！」
そう言いながら俺のところに駆け寄ってくる。
すると、
ひま「あっ…」
「あ…」
床に置いてあった雑誌のせいでつるっと滑って、
俺の上に被さってきた。
ひま「…っ」
「……」
そのまま沈黙が続いた。
ひま「ご、ごめん〜っ！！」
「あ、いやっ大丈夫」
ひま「あ、クッキー粉々になっちゃった。しかも京介の袋汚れちゃったじゃん！」
「え…あ、ほんとだ」
ひま「え、脱いで！」
「はぁ？」
ひま「はやく脱いで！洗うから！」
「おまっ、え……っ！？」
俺の上に乗ったまま、服を脱がしてくるひま。
ひま「……あ、」
「…」
ひま「ごめん！えっ！？ごめんごめんごめんっ！」
いきなり俺の上から降りて正座をする。
やっとこの状況を理解したのかひまは顔を赤くした。
「慌てすぎ(笑)」
ひま「だ、だって…」
「大丈夫だから謝らなくていいよ」
そういって俺は洗面所に行った。
鏡をみると、俺の顔も真っ赤になっていた。
ひまの前では平然とした態度をとっていたが俺もめちゃくちゃ焦っていた。
そして、あんなに顔近かったことを思い出すと余計に火照ってきた。
「俺、やばくね」
なんでひまにドキドキしてんだろ…
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東雲 | 作成日時：2021年7月25日 17時
