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「はぁ…」
仕事も上手くいかず、2年付き合っていた彼女に振られた。
溜まっていく書類を整理する気がなくなって、もうなにもかも投げ出したくなった。
ひま「まだ終わってないの？」
そう言いながらこっちを覗いてくる同期の西ひま。
「うん。」
ひま「いつまでもあの子のこと考えてんじゃないわよ！」
「…うるさい」
いつもうるさくて、お調子者のひまは俺が4日前に元カノの浮気が発覚して別れたことを知っている。
ひま「あぁ、ごめん。元気だして〜？」
そういって机の上にこんっとコーヒーを置く。
そして、溜まっている書類を取っていく。
ひま「手伝ってあげるから！」
少ししてから俺はありがとうと小さく呟いた。
するとひまはくすっと笑って、はいはいと返事をした。
ひまに協力してもらって1時間後にはすべての書類が整理し終わった。
ひま「感謝してね？」
「はいはい」
ひま「なにか奢ってくれていいんだよっ？」
「ん〜今度ね」
ひま「ちっ、ケチ」
帰宅して手を洗っていると目に入るふたつの歯ブラシとコップ。
4日前までは幸せな日々を過ごしていたはずなのに、あっという間に全てが崩れた。
ひとりで寝るには大きいこのベッドだって、もう捨てたかった。
けど、
捨てられなかった。
テレビをつけて大して面白くもない番組を見ていると、インターホンが鳴った。
少し胸が高鳴った。
ドアを開けると、
ひま「よっ」
手に袋をもったひまがいた。
「なにしにきたの」
ひま「元気づけてあげようと思って、はい、これ」
「…なにこれ」
ひま「お酒とおつまみ！」
「…」
ひま「忘れたいことは忘れちゃおっ！お酒の力を借りて！」
そういってずかずかと人の家にあがっていく。
ひまにはいつも調子を狂わされるけど、
こういう優しいところは嫌いじゃない
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京ちゃんって第一人称「俺」なの萌えるんだが。
あ、ちなみに最初のところ「僕」にしてるのはわざとです。
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作者名：東雲 | 作成日時：2021年7月25日 17時
