# 22 ページ22
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「これ食べて元気出して？」
家に着いて俺はコンビニで買った甘いものをひまに渡した。
ひまはティッシュで鼻を噛みながら
ひま「ありがとう」
そう呟いた。
目が腫れていて、明日も仕事のひまのことを考えて保冷剤を渡した。
「目、冷やしな？」
ひま「うん」
しばらくしてひまは俺の方を見て謝ってきた。
「なんでひまが謝るの？」
ひま「甘いものを好きなのに食べちゃって」
「いいよ別に(笑)」
ひま「…さっきの聞いてた？」
「ごめん、(笑)盗み聞きしたわ」
ひま「だよね」
「いやだって気になってさ、」
ひま「大丈夫だよ」
またそうやって笑って、泣くのを我慢していた。
そんなひまを見るのももう嫌だった。
何でもかんでも笑って我慢するのがひまの悪いところだ。
「無理して笑う必要ないんじゃない？」
ひま「え？」
「俺の前ではそんな無理しなくていいよ」
俺の前だけでは着飾らないで欲しかった。
俺には弱い部分だって見してもいいんだよと伝えたかった。
「俺は無理して笑うひまより本気で笑うひまが好きだよ」
ありきたりなセリフかもしれない。
だけど本気で思っていることに違いはない。
君がそんな弱い笑顔で笑うより、本当の笑顔で笑ってくれるならそれだけでじゅうぶんだ。
俺だって幸せなんだ。
「俺のこと、ちゃんと頼ってよ」
もう好きバレしていてもおかしくないくらいだ。
だけど、それに気づかないのがひまだ。
ひま「…うんっ、ありがとっ」
そう言って、涙を流しながら優しく笑うひま。
「また泣いてる(笑)」
俺はティッシュを渡して、泣いているひまに微笑んだ。
その時、ひまのスマホが鳴った。
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作者名：東雲 | 作成日時：2021年7月25日 17時
