阿笠くんは・・・３

Episode109 ページ9

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正直な話、田中先生のことは好きだ
恋愛なんてしたこともないし俺はこれからもできないし
何にも関心持てないだろうから無理なんだけど

それでも近くにいる同年代ってのは支えになったんだと思う
向こうは同年代なのも知らないだろうけど

それでもなんとなく、
姉というか、そんな感じがしたのかも知れない
夏休み明けから保健室の先生が変わるのかと思うと保健室行きづらくなるな
あの人だから許されてたみたいなとこあったし
ほぼサボりだからな、俺



「先生好きになるとかAって年上好きなんだな〜」



そういう降谷だが降谷も同じようなもんだろ
まだ出会ってないだけで降谷の初恋は子持ち人妻の年上女性だぞ
俺よりひどい
…いや、まあ、俺も変わらないが俺は恋じゃないからな



「好きじゃない」

「はははっ！バレバレだって！」



もうこの話を始めてかなり経つ
正直鬱陶しい
違うと言ってることをそうだと言われ続けてみろ
いくら推しだと言っても腹は立つ

ほらみろ二人の顔面があんなに可愛くなかったら今頃ブチ切れてたぞ

でもかわいいから許す、俺は推しに弱いからな

…一緒に過ごしてきて俺の態度見てたらとても推しに弱そうには見えないな
むしろ突き放すし対応雑だし最悪……



「俺は降谷と諸伏しか好きになれないよ」



この世界での推しとして、推しとして
先生は確かに顔はいいが恋にはならない
そしてこれから先どんな人と出会おうが、
俺はきっと恋なんてできないし、してもうまくいかない

それは前世でなんとなくわかってる
人付き合い下手くそだからな

だから二次元のキャラクターで推しという存在の二人しかこの世界では好きという感情を抱けないだろう
それも推しとしての感情だが

因みに降谷さんしか推してなかったはずが諸伏と過ごすうちにスコッチも推し始めた
前世ではあんま関心なかった方なんだが……

こうも一緒にいれば愛着も湧く
優しいし、可愛いしな

絶対未来で救う、俺の価値はそこしかないと言っても過言ではない

話が逸れた



「……！僕も大好きだよ！」

「かわいいとこあるんだな！」



おっとなんか変な誤解を生んでしまったようだ
いや言い方が悪かったな
しかし他になんと言えばいいのか
推しだからとか通じるわけがない

そもそも自分達がキャラクターって知らないわけだし
まあいいか、説明めんどくさいし



「かわいいでしょ、じゃあ寝る」

「待て待て何がじゃあなんだ！？」

「遊ぼうよ〜〜！ほら！起きて起きて！」

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