阿笠くん番外編

セコム3 諸伏・降谷・阿笠 ページ6

諸伏side



「準備できたか〜？」

「今……起きたとこ、」



知ってる、見たらわかる
十時に出かけると言ったはずなのに、現在十時半
そして眠たそうにするA、大人になっても遅刻は相変わらずだなぁ



「ほらっ！起きて！」



ぐいぐいと腕を引っ張るがなかなかベッドから起き上がろうとしない
Aは過眠症なのではというほど寝る時もあるくらいだ
少々心配になるが、本人曰くただのめんどくさがりからくる眠気らしい

生活に支障がある眠気ではないし、夜間に睡眠障害があり眠れずいつでも眠いわけでもなく
脳内の覚醒維持機能の異常があるわけでもない

睡眠はただの趣味で娯楽だそうだ
それにしたってデートの日まで遅刻は悲しい！！



「ゼロも待ってるんだから！ほら〜〜！！」

「ん……いまおきる、」

「行動で証明して！！！！」



しょうがない…こうなったらいつも通りするか…

俺はAのクローゼットから彼の服を持ち出し、テキパキと着替えさせる
彼の過保護な母親か？と思われるかもしれながAはこんな人間だから世話する人間がいるの！！
一応ちゃんと恋人！！

ああそうだ、出かける時はウィッグかぶるんだっけ
昔は黒髪のウィッグだったのに最近は赤色にハマってるらしい
ゼロは嫌がってるけど変える気はないみたい

赤は赤井秀一を連想させるからって…
俺も無事だったんだし、ライもFBI、つまり味方だったんだから良くない？
とは思うけど、組織にいた頃から仲悪かったしなぁ
根本的に合わない部分があるのかもしれない



「カラコンどうする？」

「…めんどい」

「おっけ、持ってくるね」



Aのことは理解すれば早い
めんどくさい、はつけないではなくて
自分でつけるのはめんどくさいからやって、という意味だ
ちゃんと全部言わないから伝わらないことも多いし、誤解されることも多いんだよね

Aの身支度をやっと全て終わらせる
全て終わる頃にはAの目も覚めていたようで、それなりにキリッとしていた



「行くぞ」

「こっちのセリフなんだけどな〜」



ハハッと笑って、Aの手を取る
それにAは振り払うこともなく、軽く握り返した



「いってきますのチューする？」

「二人で出かけるのにか？」

「…それもそうか」



同時に出かけるのなら行ってきますのキスは変…？
う〜〜んそうだよなぁ、Aはイチャイチャするの好きなタイプでもないし、

そう思っていると、彼はそっと俺にキスをした



「…ほら、行くぞ」

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