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Episode,13 ページ15

顔を上げて、恐る恐る、哀さんの方を見る。

「どうしたの?ラウールくん?」

彼女は無垢な笑顔で言う。

「いや……なんでもないよ……」

哀さんの飼い犬である「ユキ」
このクラスの生徒である「雪」斗くん

ただ名前が似ているだけだ。
白くてふわふわという共通点も、偶然という言葉で片付けられるようなもの。

僕の思い過ごしだろう。……彼女が、クラスメイトのことを「犬」だと言うはずがない。
わざわざ、そんなことを言う必要も、クラスメイトをそんなふうに呼ぶ理由もないし。

「その写真の他にね、もうひとつ、プレゼントがあるの」

一人悶々とする僕を置いて、彼女は机の横にかかっているバックを漁りだす。

白「え?プレゼント?」

「そう。歓迎の意味とこれからよろしくってことで。昨日選んだんだ」

「はい、どうぞ」と渡されたのは、白いチェック柄の僕の手より一回り大きいくらいの袋。開け口には、綺麗な白いリボンが結ばれている。

白「あ、ありがとう。なんだろ、開けてもいい?」

兄以外からプレゼントを貰ったことがなかった僕は、先程のことも忘れ、浮足立って、哀さんへ聞く。

「もちろん!よろこんでくれればいいんだけど……」

もう一度、彼女にお礼を言って、袋を開ける。

その中身をとりだしたと同時に、僕の思考は停止した。

「どう?ラウールくんに似合うと思って白にしたんだ」

「ね、着けてみてよ」

彼女からのプレゼント―――白い首輪をもつ手がふるふると震える。

そんな僕を見て、哀さんは、

「ああ、自分じゃ着けられないか。『わんこ』だもんね」

「私が着けてあげる」そう言って、楽しそうに笑った。

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零〜0〜 - もうなんか衝撃で、すごく面白いです!!これからも更新頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
*神奈月*(プロフ) - あいすろっくさん» レスありがとうございます!!楽しみにしています♪ (2020年9月19日 20時) (レス) id: fbe34a81c3 (このIDを非表示/違反報告)
あいすろっく(プロフ) - *神奈月*さん» コメントありがとうございます!題材にさせていただいた漫画は、とても衝撃を受けた作品で、私も大好きです(*‘ω‘ *)主ちゃんは次くらいに登場する予定ですので、これからも読んで頂ければ嬉しいです (2020年9月19日 18時) (レス) id: 9ae477febb (このIDを非表示/違反報告)
*神奈月*(プロフ) - コメント失礼致します!題材にされている漫画が私自身とても大好きでこちらの物語も何度も読み返しました!名前変更した主ちゃんの登場も楽しみにしています!更新頑張ってください! (2020年9月19日 18時) (レス) id: fbe34a81c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいすろっく | 作成日時:2020年9月18日 17時

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