■ ページ11
お冷とおしぼりとメニューを店員さんに渡され、机にメニューを広げてのぞき込んだ。
『なに食べよっか、カクはなにがいい？』
「え、…選んでいいのか？」
『いいよ、でもデザートはダメ』
「わかったわい！｣
彼はふふんと鼻歌をしつつ、地面につかない足を揺らして大きいメニューを楽しそうに覗き込んで選んでいた。
昔の私もこんな感じだったのかなぁ…とメニューを選びつつ、カクを見てなんとなくそう思った。
『よーし、決めた！私はスタミナ丼』
「わしも！」
『えっ、…食べきれる？』
「大丈夫じゃ！」
『どれか分かってる？これだよ？』
「んなの分かっとる」
トントンとメニューの写真を指で示すとあってると言わんばかりにコクンと頷かれた。
本当に分かってるのか、これ毎回頼むけど結構量あるぞ
『…まぁ、食べきれなかったら私が頑張ればいいか』
「じゃから食べきれるわい！」
てっきりお子様ランチを頼むと思ってた、なんて言ったらプクーっと彼の頬が膨れたのでぎゅっとその両頬を片手で掴み、ぷしゅーと空気を出させた。
『あははは！たらこ唇！』
「むぅ!!」
バッと私の手から逃れて元に戻ったカクにまた笑ってしまった。
睨まれるがまつ毛が長い分、可愛さが増す。
まったく、君はかわいいなぁ
『ほい、カクさんや。このボタンを押しとくれ』
「…この丸っこいのを押せばいいのか？」
『せや』
カチッと押すとそれに合わせてピンポーンと鳴る。
「！？」
驚いてる、驚いてる
キョロキョロと店内を見渡す彼は来た店員さんにも驚いていた。
「お待たせしました、ご注文を伺いします」
『スタミナ丼2つ、以上で』
「畏まりました」
そういうと店員さんは去っていった。
「こ、これ押したら店員さんが来るんか？」
『そうだよ、でももう押しちゃだめだから没収ー』
「あ…」
名残惜しそうに私が没収したボタンを見ていた彼は恐らく、もう1回押す気だったんだと察した。
危なかった、とおしぼりで両手を拭きつつカクが少しだけ大人びているとはいえ油断しなかった自分を褒めた。
その後、頼んだ物が運ばれてきて彼は本当に全部食べた。
寧ろ私の方が今苦しいくらいなのに、彼はニコニコと満足そうに笑って平らげたのでこちらも悔いはない。
「ごちそうさまじゃ！」
『ご馳走様。よし、帰ろっか』
二人でね。
ボタン
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つやか(プロフ) - カクが好きなのでこの作品を読んでいてめっちゃカクへの愛を感じました。面白いです！私も、こういう作品を書いてみたと思いました。 (2022年11月3日 23時) (
レス) id: a4f4961920 (このIDを非表示/違反報告)
4236287 - カクくん！愛がめっちゃ伝わってきました！面白いです！ (2022年6月4日 19時) (レス) @page18 id: 8bec1626d0 (このIDを非表示/違反報告)
Marubox(プロフ) - ハルさん» お、おぉ！カクさん"大好き"がハッキリと伝わってきました！面白いと言って貰えて凄く嬉しいですっ！ちまちま頑張ります！ (2020年7月28日 19時) (レス) id: db25b1c069 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - めちゃめちゃカク大好きだからこの作品嬉しいです！！そして何より面白い!!更新頑張ってください (2020年7月28日 18時) (レス) id: b2be01bbd7 (このIDを非表示/違反報告)
□ - 哀羅さん» わぁ！コメントありがとうございます！カクさんへの熱が一言めで凄く伝わりました！子カクさんとちまちま頑張ります！ (2020年7月27日 10時) (レス) id: db25b1c069 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Marubox | 作者ホームページ：https://twitter.com/maru_kibun
作成日時：2020年7月27日 10時
