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照や佐久間がいない状況で子供達を連れ出せる可能性は、はっきり言って0に等しいだろう。
私の能力はこういう時に使い物にならない。
どうする。
どうするべきなんだ。
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「おい」
ふと、後ろから肩を掴まれる。
『しまっ…た…』
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「何してんだよ」
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後ろを振り向くと、翔太が私の肩を掴んでいただけだった。
『…お前かよ』
渡「何、お前かよって。
俺以外にいねぇだろ」
『この状況で背後とられてたら終わりでしょ?だから死を覚悟したってのに』
渡「お前、マジでそのまま失神しとけば良かったのにな」
『失礼だと思わないわけ?』
渡「ちっとも思わねぇよ!
てか、この子達は?」
『連れ去られた子供達』
渡「は!?え、こんなにあっさりと見つかるもんなの」
『見つけたのはいいものの、ここから連れ出せない』
渡「いや何でだよ、怪異もいねぇんだし」
『あんたそれ本気で言ってる?』
渡「本気ですけど…」
『どう見ても子供達が楽しそうに遊んでる中、私たちの事をずっと見てる子供もいるでしょ』
渡「うわっ!気色悪ぃ…瞬きひとつもしないじゃん」
『この状況で、しかもこの人数の子供を連れ出すのは難しい。
何人かは連れ戻せそうにないしね』
渡「…え?」
『あそことあそこにいる子供達、
明らかに時代が違う』
私の指を指した方向には、今の時代には似つかわない服装や髪型をした子供達が遊んでいた。
『あの子達は、きっと約300年前に起こった失踪事件の被害者。
だけど明らかに体と魂が離れすぎてる。
元の世界に戻れたとしても、
生きる時代がそもそも違うから体が持たない』
渡「じゃあどうすんだよ」
『昔の子供達は諦めるしかない』
自身の掌を痛いほど強く握りしめた。
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夏妃(プロフ) - ちょこさん» ちょこ様、初めてのコメントありがとうございます!!私自身も凄く好きなジャンルでお話を書いているので、その期待に応えられるよう頑張って参りますので応援の程、よろしくお願い致します!! (10月3日 20時) (レス) id: 9539340c12 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - コメント初めてかもしれません。いつも楽しく読ませていただいております!新作おめでとうでとうございます。めちゃくちゃ好きなジャンルの話だ!!と思ってワクワクしております。これからも更新楽しみにしております。 (10月3日 19時) (レス) @page5 id: 921f733669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏妃 | 作成日時:2023年10月3日 18時