「声の行方」 ページ38
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Aside
ふと意識が戻る。
止まっていた世界にもう一度時間が流れ始めるように。
『ここは…』
体を起こして、視界に入ってきた情報を整理する。どうやら私はどこかの道の途中で倒れている事が分かった。
見た事のない村の中で。
側には田んぼやら畑が並んでいる。
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目黒達の姿が無い。
『じっとしてても無駄か』
重い体を立たせて、無意識に首を鳴らす。
あ、また怒られる。
首は神経がいっぱい流れてんだからやめろなんて照が言ってたっけ。
この癖やめないとなぁ…
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___"助けて"
歩き出そうとした瞬間、
耳に雑音混じりの子供の声が聞こえた。
『こっちか』
声の聞こえた方角に足を向けた。仲間の行方も気になるが、今は子供達を救うことを優先するべきだろう。
きっと、みんなとは生きて会える。
そう願って不安な心のまま足を進めた。
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佐久間side
佐「ほら!また同じ看板だよ!!」
看板の側に駆け寄ると、やはりそこには俺が置いたはずの指輪がそのまま置いてあった。
蒼「どうすりゃいいの…この状況」
恐怖を感じている蒼汰の頭を撫でて指輪を付ける。
佐「っ……!!」
一瞬、背筋が凍りつくように嫌な感じがした。
勢いよく後ろを振り返る。
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そこには、少し離れた道の先に居るはずのない倒れた照の姿があった。
佐「照…!!」
照の元まで無我夢中で走って、首元に手を置く。
佐「良かった、息してる…」
蒼「さっくん置いてかないでよ…
この人って、さっくんの所の」
佐「事務所の照だよ。でも、1人だけでこんな所には来ないはず…」
もしかして、みんなとはぐれた…?
少し離れたところでAの気配がする。でも、場所が定まらない。
この世界は歪んでる。まだ完成し切っていないようなそんな世界。
照の頬をこれでもかと叩く。早く起きろ!!
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夏妃(プロフ) - ちょこさん» ちょこ様、初めてのコメントありがとうございます!!私自身も凄く好きなジャンルでお話を書いているので、その期待に応えられるよう頑張って参りますので応援の程、よろしくお願い致します!! (10月3日 20時) (レス) id: 9539340c12 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - コメント初めてかもしれません。いつも楽しく読ませていただいております!新作おめでとうでとうございます。めちゃくちゃ好きなジャンルの話だ!!と思ってワクワクしております。これからも更新楽しみにしております。 (10月3日 19時) (レス) @page5 id: 921f733669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏妃 | 作成日時:2023年10月3日 18時