「犠牲者」 ページ25
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《うん、了解ー。
あ、ちょっと!樹!!》
《A〜、今度飲みに行こうね〜》
『気が向いたらね』
《本当に釣れない女だこと!あ、たまにはこっちにも顔出してよね。
北斗が寂しがってんよ》
『あいつはそんな奴じゃないでしょ』
《分かんねぇぞ〜
てか、そろそろ仲直りしたら?》
『私は別に何も悪くないから』
《はいはい、またなんか分かったら連絡するから。ちゃんと北斗とまた話しなね》
『分かった』
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気が向いたらね。
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佐久間side
ふと意識が戻ると右頬に冷たさを感じた。
ゆっくりと目を開け、辺りを見渡すと俺はどうやら見覚えのない所に連れて来られたのだと瞬時に理解する。
佐「あちゃ〜、やらかしたか」
頭を抑えると殴られたような痛みが走る。
きっと怪異に殴られたんだろうなー。
記憶も曖昧で何があったのか把握出来ていないのが現状な訳で…
これからどうすっかな。
あれ…
佐「てか、蒼汰は!?」
飛び上がると、一緒にいたはずの蒼汰の姿が無かった。
怪異に連れ去られる前に俺と蒼汰は名前で呼び合う程、仲を深めていた。
好きなゲームが一緒で、蒼汰の歳にしてそのゲームを知ってるなんて珍しいなと思って盛り上がったんだっけ。
もう一度よく辺りを見渡すと、少し離れた所に蒼汰が横たわっていた。
佐「蒼汰!」
側に駆け寄ると、蒼汰に黒い霧のようなものが彼を包み込むように纏わりついていた。
佐「っ…!」
右手を蒼汰にかざして、力を込める。
黒い霧は一瞬にして消え去り、心做しか蒼汰の表情が柔らかくなったように見えて俺は少しほっとした。
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佐「蒼汰!起きろ!!」
何度も蒼汰の体を揺らす。何の反応も示さない蒼汰を見て焦りばかりが募っていく。
ここがどこなのかも分からない状態で、気を失っている蒼汰を置いて行動なんて出来ない。
すると突然、不快な雑音が耳にねじ込むように入ってきた。
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夏妃(プロフ) - ちょこさん» ちょこ様、初めてのコメントありがとうございます!!私自身も凄く好きなジャンルでお話を書いているので、その期待に応えられるよう頑張って参りますので応援の程、よろしくお願い致します!! (10月3日 20時) (レス) id: 9539340c12 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - コメント初めてかもしれません。いつも楽しく読ませていただいております!新作おめでとうでとうございます。めちゃくちゃ好きなジャンルの話だ!!と思ってワクワクしております。これからも更新楽しみにしております。 (10月3日 19時) (レス) @page5 id: 921f733669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏妃 | 作成日時:2023年10月3日 18時