肆拾参 ページ3
『父上、
今日、官兵衛は？』
道場に顔を出すと、
朝から、官兵衛の姿が無かった。
「知らん。
どうせ、逃げ出したんだろ
元々、彼奴には剣術の才能など無い」
周りの子供達からも微かな笑い声が聞こえる。
官兵衛を嘲笑うように。
何だ、その言い方は。
.
＿＿＿何だ、その態度は。
.
.
『そんな訳ない！！』
道場に私の怒号が響く。
『官兵衛は、誰よりも頑張っていた。
夜遅くまで彼は刀を振り続けた。
彼の努力も知らないお前らが！！
彼の努力を踏みにじることは、
決して許されない！！
いや、私が許さない！』
「感情もない、ただの操り人形が
弱いやつに同情するのか」
『官兵衛は弱いやつじゃない』
.
.
「もういい、お前にはがっかりだ。
今すぐ出ていけ。
お前はこの道場に必要ない。」
『こっちから願い下げだ』
.
.
私は、道場を後にして
町へ官兵衛を探しに出た。
官兵衛と長く居たにも関わらず、
彼の家がどこにあるかなど知らなかった。
ただ、町を走り続けた。
親と何かあった訳では無いはず、
彼から話を聞く限り、
仲の良い幸せな家庭だった。
それに何も言わずに
私から離れるなんて彼はしない。
.
.
.
あれから、1時間2時間と探しても
官兵衛は見つからなかった。
.
.
『官兵衛！』
どんなに彼の名前を叫んでも、
声は返ってこなかった。
あの関西の方言が混じった言葉で、
あの笑顔で、
ただ、私の名を呼んで欲しかった。
.
.
日が沈み、
辺りが暗くなり始め、諦めかけていた時、
見慣れた背中を見つけ、
思わず、その肩を掴んだ。
振り返ったのは、
.
官兵衛であり、官兵衛ではなかった。
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夏妃(プロフ) - さくらさん» さくらさん、コメントありがとうございます!!最後まで愛読して頂き、光栄です^^*泣くほどなんて、嬉しすぎて舞い上がっちゃってます笑まだまだ物語は続いていくので楽しんでお読みください!! (10月3日 19時) (
レス) id: 9539340c12 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 可惜夜に君を想う完結おめでとうございます！夏妃さんの作品はとても読みやすいし、夢主と官兵衛の過去や半兵衛の恋、お丸とのやり取りも全てに後半は泣いてしまいましたwまた来世verで見れるのが楽しみです！本当にありがとうございました^ ^ (10月3日 1時) (レス) @page48 id: 8dea0f96de (このIDを非表示/違反報告)
夏妃(プロフ) - さくらさん» さくらさん、コメントありがとうございます^^*官兵衛と夢主の過去編は私自身も書いてて少し辛かったﾃﾞｽ😭これからの展開にも期待してくださると嬉しいです！ (2023年5月3日 21時) (レス) id: 9539340c12 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - いつも作品を楽しく拝見してます！ 夢小説ですが官兵衛と夢主の過去が悲しくそして儚い感じもして更新される度少しうるうるさせながら見てます笑 これからも頑張ってください応援してます！ (2023年5月3日 20時) (レス) @page4 id: 8dea0f96de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏妃 | 作成日時：2023年4月23日 23時
