和-なごみ-

秘密 ページ6

結局、大吾のことはあれ以来話してないし和のことも話さなかった


紫耀君とは必要最低限の会話しかしてない



そんな状況が続いてしばらくたったある日の昼休み

なつきさんから私が一番恐れていたことを聞いた


なつき「Aちゃん？私に何か隠してへんか？」

A「え？」

なつき「ある男子生徒がさっき事務室に来て"田中さんって結婚してるんですか？"って聞いてきたから"してないよ"って答えてんけど。」


隠してたわけじゃない

ただ怖かった

結婚してるわけじゃないし

23歳で4歳の息子だなんてどんな印象を受けるかなんて今までの経験でわかってた


なつき「その子が、Aちゃんが男の子を抱っこしてその子供がAちゃんのことおかんって呼んでるのを見たって」


「子供いるの？」


もう話すしかないと思った

これだけ仲良くさせてもらってるのにこれ以上黙っておくなんて無理だった


A「息子です。4歳で和と書いてなごみっていいます。」


なつき「え…」


A「黙っててすみませんでした。」


なつき「ごめんね。」

A「え…？」

なつき「大変やったやろ、職場に頼られへんとか。」

「これからは何でも言いなさいよ！私に出来ることなら何でもやるから！」


あぁ、何で言わなかったんだろう

なつきさんが良い人だなんてずっと分かってたことだった

それでもどこか自分から壁を作ってた


その壁はもう私となつきさんには必要なかった


頼っていいんだ

そう思えるだけで心が何十倍も何百倍も軽くなった


A「ありがとうございます。本当に。」

なつき「何を今更言ってんの〜！当たり前やんか〜！」

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