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とある江戸の山奥。
そこに真撰組はいた。



「うわ…すっげぇなコレ…」



通報を受けたのは数時間前。

異臭を辿った先にあったのは夥しい数の死体。
どれも腐乱してしまっていた。
数はざっと五十を超える。



「土方さん。これとやり合うとはなかなか大したものですぜィ」




「あぁ。見た感じ、過激派の連中ってとこだな」



一人一人を見ながら、異臭に思わず顔をしかめる。
目を背けそうになるそんな時。




「副長!これ、見て下さいっ」




声をあげる山崎をとり囲み、指差すものを見る。



「なんだ…これ?」



「金属のようにも見えるが…赤い石がついてるな」



「ネックレスですかねィ」



「それと、これが…」



おずおずと出してきたのは、とても小さな靴。
掌の大きさもない程だ。



「ガキの靴だな。何でこんなところに…」



近藤が首を捻り、他の者も首を捻る。
また、事件が動こうとしていた。


.

.

.





「お邪魔します」



万事屋に着き、すっかり濡れてしまった服を脱ぐ。
靴も中までぐっしょりだ。



「とりあえず風呂入れよ」



タオルを受け取り、暖かい湯をかかる。
あがれば、神楽のものらしき可愛らしい服が置かれていた。
着ろということなのだろう。
同じ夜兎ということもあり、少しだけ窮屈だが小柄な服は身にあっていた。

着ていた服は洗濯機の中にあって、彼らがいるであろう部屋へと足を踏み入れた。



「あっ、Aさん。こんにちは。今日からよろしくお願いします」



「ゆっくりしていってネ!」



明るい雰囲気で出迎えられ、思わず笑みがこぼれた。



「よろしくお願いします」



ソファに座れば、神楽が寄ってきて隣に腰掛ける。
にこにことしている様子はまるで夜兎のようには見えず、ただの愛らしい少女である。

近くにはもふもふとした大きな物体。
定春である。
雨のせいか少しばかり毛もしっとりとしていた。



「なんか…和やかですよね、ここの雰囲気」



「そうですか?」



「日輪さんところもそうだったんですけど、皆優しいっていうか…。私が昔いたところなんて…」



日々傘の下の暗い感覚。


家族の冷えた雰囲気。


一人取り残される悲しみ。


重ねてきた罪。


頭の中でぐるぐると駆け巡る。



「Aさん?」



「…あ、ごめんなさい。何でもないです」



そうしてまた自分の殻に閉じこもった。

.

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設定タグ:銀魂 , 坂本辰馬 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。(2代目)(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです!!更新楽しみに待ってます…! (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2015年11月17日 23時

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