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「おまんら…知り合いか？」
互いに顔を見合わせたままだんまり。
最初に口を開いたのは彼女で。
「知り合い、じゃなか。知り合いに似とっただけじゃ。すまんの」
「いえ…」
(私も貴方も大嘘つき)
陸奥は坂本を引っ張るようにして、帰って行った。
未だ団子を摘む銀時に尋ねる。
「あの方達は？」
「坂本辰馬っつってな、昔っからの知り合いだ。今じゃあ、快援隊っていう会社作って商売してる」
「商売、ですか…」
「であの坂本を虐げていたのがカミソリ副官、陸奥って訳だ。坂本に拾われた身らしいけどな」
遠くなる商売人の背中を見ながら、小さく頷く。
目を閉じれば、懐かしい感覚と共に、疎ましい過去。
振り払うようにして、つけていたエプロンを勢いよく外す。
「すみません。日輪さん休憩貰います」
足早に店を出て、彼らを追いかけた。
そんな中、
「A、こんなとこにいたんだ。見ーつけた」
会いたくない人間と通りすがっていたなんて気がつかなかったのだけど。
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「ったく…おまんのどこに社長要素があるんじゃ」
呆れながらずるずると引きずる。
不意に背後に気配を感じ、避けるようにして坂本を投げつければ、その影と坂本は激突した。
「いったあああ」
大声をあげる坂本に反して、静かに立ち上がり、こちらを見つめる。
空気は少しばかり重苦しい。
「千鳥が解散したと聞き、貴方はどうなっていたのか気になってました」
「おまんこそ、何処で何をしていた」
「母親と私を残し、犯罪に手を染めていた貴方に言われたくありません」
瞳には激しい怒りの色。
力強く拳が握られている。
「葬儀も私が行い、それでも貴方は来てくれませんでした。ずっと貴方に会いたがっていたのに…」
唇を噛み締め睨む姿に、何も言えず立ち尽くしていた。
「一人苦労して生きてきた私の前に、貴方は、ひょっこり現れて。挙げ句の果てに副社長？ふざけないで下さい」
「おまんの言いたいことはよく分かる。じゃが」
「言い訳なんて聞き飽きました。昔から頭が良い貴方はそうやって私を言い包めて」
涙がぽろぽろと流れながらも、にこりと笑い言い放つ。
「出来損ないの私が悪いのかもしれないけれど、私は…
貴方のこと、姉として家族として大っ嫌いでした」
(何となく分かっていたが傷つくのう)
すぐに背中を見せて走り去るAを、引き止める意思なんて陸奥にはもうなかった。
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Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。（2代目）(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみに待ってます…！ (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2015年11月17日 23時
