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弐十六. 二・一四編 ページ26

Aは療養のため、元々借りていたひの屋の一室にいた。
夜兎ということも傷の治りも早かったが、月詠の過保護さに身動きできずにいた。


(そろそろいいよなあ…)


見ていられなかった傷が、かすり傷に程度になり、部屋の扉に手をかける。
扉を開けると、A目掛けてクナイが飛んできた。



「病人は大人しくしろと言ったはずじゃが」



「もう大丈夫ですって。傷も薄いでしょ?」



「額から血が出ておる」



「いやそれは貴方が投げたクナイが刺さっているんで」



だらだらと流れる血の原因を抜きながら、月詠に交渉する。
かすり傷になった様子を見て、仕方なくといったように咥えたキセルを離し、ふうと煙を吐いた。



「看病ありがとうございました。これからまたひの屋で頑張ります!」



「いや、Aが動けるようになったのなら何よりじゃ。店の手伝い、頼むぞ」



肩にぽんと手を置かれ、優しい笑みに歯を見せて笑って返した。

店の方へ行くと、日輪と晴太が笑って出迎えてくれた。
店頭には馴染みの客も来ていて、早速お茶を出した。



「Aちゃん、久々だね〜。日輪さんから怪我してるって聞いて心配してたんだよ」



「お久しぶりです。この通り元気です。ご心配おかけしました」



「Aは看板娘みたいなもんだからねぇ、無茶して貰ったら困るのよ」



「えっそんなこと聞いてないんですけど日輪さん!」



はははと笑えば暖かく和やかな空気に包まれた。

その後働いている中で、女性客がいつもより多いのと、その女性達が紙袋片手に来ていることに気がついた。
その中の一人の女性客はAに声をかける。



「そう言えばAちゃんは、バレンタインに誰にお菓子をあげるの?」



「ばれん、たいん…??」



壁に貼られた暦を見て、ああそうかと納得したと同時に、



「ツッキーいるアルカー?」



「ごめんくださ〜い」



「ツッキーいるかしら??」



「月詠殿!」




と明るく元気な声達が聞こえた。


.

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設定タグ:銀魂 , 坂本辰馬 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。(2代目)(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです!!更新楽しみに待ってます…! (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2015年11月17日 23時

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