三 ページ3
陸奥は宇宙にいた。
いつもと変わり映えもせず、仕事をこなし、
「おい、何処に行きゆう」
「アッハッハ。陸奥は相変わらず目ざといのう…」
抜け出そうとする艦長を捕まえる。
その繰り返しだった。
窓から広い宇宙を見れば、自分の生まれ育った故郷の星が静かに輝く。
『ねえ、本当に行くの？』
不意に過る小さな声。
温かい手のひらの感触。
寂しそうな顔。
(あいつば…何しゆうやろう…)
「陸奥ー？どがあしたか、難しい顔ばして」
「気にするな。考え事をしちょっただけぜよ」
仕事したくないと駄々をこねる艦長をずるずると引きずりながらも、彼女の顔ばかりが頭の中をちらついた。
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「いらっしゃいませ」
ひの屋で働き始め、以前に比べ充実した日々を過ごすようになっていた。
日輪達と家族のように接し、話したりすることが何より楽しく、自身を生き生きとさせてくれた。
そんな時出会ったのがあの三人。
「団子おかわりアルー」
「んじゃ俺もー」
「二人ともやめてくださいよ」
万事屋の三人だ。
彼らが来ることで更に店は明るくなる。
何より可愛らしい月詠が見れ、少し茶化せばクナイが飛んでくる。
「Aー」
「何ですか？」
「お前身寄りとかいねーの？こんなとこで働いてるけど」
「いない、ですね」
ふうん、と興味なさげに呟き団子を口に入れる。
(本当は、家族はいる)
ある人の影が浮かぶもぶんぶんと頭を振る。
そんな時。
「ねーそこのお姉ちゃん、わしと一緒に遊ばない？」
「ノーセンキューです」
もじゃもじゃの頭。
まん丸な色眼鏡。
無駄に高い身長。
怪しい人かと睨みをきかせていると、銀時の木刀が男に命中する。
男はぴくぴくと痙攣しながら、こちらを見た。
「いたた…誰じゃこんな悪戯をするのは…おおっ金」
「銀時だっつの。さっさと覚えろアホが」
神楽と二人して男を蹴りつける。
新八はそれを止め、男を立ち上がらせて椅子に座らさせる。
日輪がお茶を出せば勢いよく飲み干した。
「銀さん…知り合い？」
「残念ながら」
鬱陶しそうに自身の髪を掻いた。
「坂本、こんなとこ来てていいのか？御宅の副官さん来んじゃねえの」
「大丈夫ぜよ！陸奥にはばれんようにぶべらっ」
(む…つ…？)
「おんしはまたこんなとこでフラフラしゆうて。そろそろふぐりばぶち抜、く、ぜよ…」
突然現れた編笠の女と目が合い、互いに言葉をなくした。
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Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。（2代目）(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみに待ってます…！ (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2015年11月17日 23時
