ブラックマジシャンガールll【はじめしゃちょーの畑】 (ページ19)

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酔った彼女は寝かせれないページ19

たなside

頭の痛さで目が覚める。

痛みの原因は、昨日のお酒。

少しの量で、こんなんになってしまうのか…。

ーーーーー

企画で使った虫をおつまみに、ちょっとだけ飲もうとAを誘った。

飲みたいと言ったのはAだけど。

そういう訳で、仕事終わりにAの家にお邪魔した。

相変わらず綺麗な家。

俺らの家が汚すぎるだけかもしれないけど。

『早速飲んじゃう？』

た「飲むしかすることないでしょ。」

ぷしゅっと音を立てて乾杯。

久しぶりのお酒だから、すぐ酔いがまわるかもしれない。

俺じゃなくて、Aの話ね。

数十分もすれば……

ほら出来上がった。

顔は赤くならないものの、言動が酔ってる人のそれ。

さっきから居るはずのない彼氏の話を延々としてる。

元彼かなぁと思って聞いてたけど、どうもそんな感じじゃなかった。

た「それさ、誰？彼氏出来たの？」

あまり聞きたくなかったことを聞いた。

『りゅうのことー。』

……は？

いや俺Aの彼氏になったことないから。

た「何と勘違いしてんの…」

そういや、元彼と俺が、似てる部分が多いってよく言ってたな。

オタクなところとか、インドアなところとか。

それの所為かもしれない。

『ねーりゅー。もういらないー。』

なんだよこの生き物。

かわいいかよ。

飲みかけのお酒を残して、あげる、と缶を差し出してくる。

た「なんで俺が飲むの。」

しかもすっごいちょっとだけだし。

もうちょっと残ってたら飲んでたかもだけど。

た「これくらい飲んで。」

『えぇー！？』

素晴らしいほどのオーバーリアクション。

そんなに驚くことかよ。

『仕方ないなぁ。りゅうの代わりに飲んであげる！』

なんで俺の代わりなんだよ。Aのでしょうが。

完全に酔ったA。寝かしてから帰らないとヤバそうだな…。

た「A…もうそろそろ寝たら？俺も帰んなきゃだし。」

『んぇー。帰んのー？』

ダメだ。なんか脳みそとろけてる感じがする。

『じゃーさ、ぎゅーってして。』

た「はぁ？」

何言ってんのほんとに。

ぎゅーってする意味がわからないし、ぎゅーってして明日怒られたら嫌だし。

『怒らないからぁ！』

はぁ…だめだこれ。

た「分かった。はい、ぎゅー。」

マジで何やってんの俺。

けど、ちょっと嬉しい自分も居る。

これ以上したら止まれないから、

た「もう寝ろよ。おやすみ。」

頭をぽんっとして、Aを寝かした。