無防備な紅一点 ページ30
はじside
ようへい君いつからこんなバケモンみたいな企画考えるようになったんだろう。
辿っても分からないけど、原因は間違いなく俺。
YouTuberとしては最高の企画力だけど。
や「で、まだAが起きていないっ!」
10時前からずーっと、人をダメにするソファに身を預けている。
ト「10時までには起きろよって言ったんすけどね。」
正午を過ぎた今も、かわいい寝息を立てている。
寝顔かわいい…彼女にしたーい!
Aのお姫様のような顔を見てると、変な欲が出てくる。
け「Aさああああん↑」
けんすけぇ。お前女の子って事分かってるか?
しかもAだぞ!?
流石にこの畑とはいえ、Aに寝起きドッキリを仕掛けた事はない。
顔に水かけたり、銅鑼で起こしたり。そんな酷いことできる訳ない!
大事でかわいい紅一点なんだから、大切にしないと。
『ん…ん?』
あっ、かわいい。
少し髪の毛が絡まって、無防備な感じが守りたくなる。
『え、カメラ回ってるなら顔に水かけたら良いじゃないですか…。』
Aも感覚がおかしくなってきてる。みんな俺に似すぎや。
だ「A、見てみ。」
だいちくんが積み上がった家具の山を指差す。
『はい…?え?』
一瞬で表情がいつものそれに戻った。
寝起きの怠そうな顔から一転、目を丸くする。
『え、何の企画ですか。』
は「山崩しの家具バージョン。」
身体は起きても頭が回ってないのか、返事が遅い。
は「山崩しの!家具バージョン!」
声を大にして言う。
『…え、片付けは?私?』
何言ってんだろこの子。素直過ぎない?
いっつも任せてる俺達が悪いんだけどさ。
だ「真ん中の棒を倒したやつが全部片付ける。」
いまいち良くわかってない様子。
ト「まあ、やったら分かりますよ。」
そうだね、と納得し、ゲームが始まる。
けんすけから始まって、最初はまあ何事もなく進んで行く。
『取りたい物が重くて取れないので軽そうなのとりあえず取ります。』
理由が女の子過ぎてもう…。
身長が地味に同じ位で、手を伸ばして取ってる。
手を伸ばした時に服が一緒に上がって、腰のあたりがチラッと見える。
ト「A!?」
あーほらともたかが本当のトマトになっちゃった。
そういう俺もトマトになってるはず。
『ん?』
それを気にしてないのはダメだよ…。
そんな事もありながら企画が終わった。
は「男しか居ないんだから、気を付けてよ?」
俺より30cm小さい頭の位置に手を置きながらそう言った。
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作者名:So-mei. | 作成日時:2020年5月2日 13時