救世主=トレーニングルーム ページ26
Aside
運動不足の日々が続く中、急に現れたトレーニングルームは私の救いだった。
食べては寝て、編集をすればまたそのストレスで食べる。
これで人を救えるんならお安い御用だけど、実際そんな甘くない。
まるで助かった人数分の感謝の気持ちのように、私のお腹にはお肉が溜まってきていた。
そんな感謝いらないよ！
これが幸せの象と言えるテツヤを尊敬してしまう。
と、変な前置きは置いといて、折角できたトレーニングルームなんで運動します。
シャッターを少しだけ上げて、換気をする。
縄跳びで全身の筋肉を鍛えれるという話を聞いて、つまらない顔をしながら飛び続ける。
これでも小さい頃は縄跳びが大の得意だった。
柔らかいマットの上に着地する度、スタッと気持ち良い音がする。
この音が私のモチベーションに変わる。
続いてランニングマシーンを借りる。
走っていると頑張って括ったポニーテールが揺れて、頭が痛い。
そんなポニーテールに視線を感じて走り終える。
『何見てるんですか。』
だ「バレたか…。」
『気付きますよそりゃ。』
首に巻いたタオルで額の汗を拭きながらだいちくんに返事をする。
『だいちくん、使えませんもんね。』
だ「良いなぁ。」
いつしかの罰ゲームでだいちくんはここが使えない。
メガネ越しに羨ましそうな目がこちらを見ている。
は「あら、A居たの。」
『はじめさん。お借りしてます。』
は「どうぞ。」
階段から、もうもやしではないはじめさんが降りてきた。
くっそ…もやしじゃなかったら面白くないじゃないか…。
筋肉のついたもやしってあんのかな？
は「あーだいちくーん。」
だ「使いたかった。」
は「ダメ！辞めるまで禁止！」
だ「辞めるまで！？」
は「嘘嘘wさすがにね。」
辞めた後に使える様にならないよね…それまで居てくれると良いけど。
は「Aはダイエット？」
『女の子に直接それ聞いてくる人初めて見ました。』
は「ごめん。」
聞いても別に良いけど、何かちょっと嫌だよね。
だ「Aそのまんまでも充分じゃん。」
『いや、2kgは増えましたよ多分。』
だ「それでもあんまり変わらないじゃん。」
『そんな事ないと思いますけど…。』
は「痩せなきゃダメなだいちくんが使えないっていう。」
本当にその通りだと思うなぁ。
昔みたいにもっとこう…シュッって！
イケメンだっただいちくんがもう一度見れますように。
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作者名：So-mei. | 作成日時：2020年5月2日 13時
